この家に引っ越してきて丸3年になりました。
我々が引っ越してくる前から住んでいた(と思われる)やつが、いくつかいます。毎年、季節が来ると現れます。その代表が、写真のカエルです。
毎年、同じ木の下でみかけます。
遠くを見つめる眼差し、しゃんと伸びた背筋、堂々とした姿は、まさに主(ぬし)と呼べる風格です。
普通の家の庭にある植物は、大きく分けると3つに分類できるのではないかと思います。
1.美しい花を咲かせる植物
2.おいしい実を付ける植物
3.強い雑草
もちろん、両方を兼ね備えているものもあります。美しい花を咲かせて、おいしい実を付ける雑草(木)もあります。
これは会社や人間にも当てはまる気がします。競争を勝ち抜いて、生き残る企業や人間は、3つの要素の何かを持っています。
つまり、他社(他者)に役に立つような何かを持っている人や、どんな攻撃にも耐えられ生き抜ける強さを持っている人が、勝ち残るということです。
私自身を考えてみると、残念ながら「美しい花」ではないのは確かです。
何度踏まれようが、干からびた土地だろうが生き抜く強さがあるかというと、ちょっと疑問です。20代の頃は強かったと思います。それは失うものや守りたいものが無かった故の虚勢かもしれませんが、今は家族、会社、仲間・・・など失いたくないものが増えてきて、それが弱みになる可能性があります。
であれば、残るはひとつ、「おいしい実」を付けるしかありません。
私は、他者に喜ばれる「実」を付けているだろうか?
ジーアップは、他社に役立つ「実」を付けているだろうか?
そんなことを常に問いながら経営を継続させてゆきたいと思います。
オーストラリア滞在中、Hannaはいつも以上に人見知りしてました。
西洋人の見た目に驚いていたと言うよりは、言葉が全く理解できないことに驚いていたようです。その証拠に日本語をべらべら話すオーストラリア人とは、うち解けていました。
最近やっと他人が話すことが理解できるようになってきて人生の新たなステージに入ったつもりが「なぜ、この人達の言っていることは全く理解できないのだろう?」という感じだったのでしょうか?
バスの運転手さんが、使用済み切符(これっていいのか?)を沢山くれたり、他の乗客は話しかけたり、変な折り紙くれたりするし、道ばた、電車内、バス車内、至る所でやたらとHannaは、声やちょっかいをかけられていました。それが結構、ストレスになって3日目には人混みを嫌うようになってしまいました。
私の密かな夢は、サーキュラキー(シドニーで一番大道芸人が多いところ)で歌って稼ぐことです。私一人では、歌うことはできても稼げないのでHannaと一緒に。道行く人の対応を見る限り、もし、Hannaが道ばたで(いつも家でやっているような)歌や踊りを披露したら、結構稼げると思うのですが・・・。
ジーアップで現在準備中の新しいサービスがあります。その内容については、まだ発表できないのですが、自社での開発ソフトと他社のソフトを組み合わせて、実現するサービスです。
この「他社のソフト」の部分は、その分野での最大手企業と契約すべく話を進めてきました。実際に契約もしました。しかし、その対応があまりにもお粗末で、本当にやる気があるのか疑問に思います。
いろいろ不満があるのですが、第一に契約条件が複雑すぎることがあります。ジーアップでやろうとしていることに対して、どのような料金が発生するのかがわかりにくく、ジーアップとしてもサービス全体の料金設定が決められませんでした。
次に、対応の悪さです。大企業にありがちな営業担当と技術担当と法務担当が、それぞれ自分の担当部分しかわからないため、こちらからの質問に対してもなかなか反応が返ってこないのです。前述したとおり契約条件が非常に複雑なため、確認しなければいけないことが非常に多く、結果として考えられないほど時間がかかってしまいまいました。
いろいろ不満がありながらも、なんとか契約をして、いよいよジーアップとしてのサービス提供ができるかと思っていたのですが、今週になって「現在の契約では御社が考えられているようなサービス提供はできませんので今の契約を破棄して、別途契約内容を相談させて下さい」などという連絡が来ました。しかも、新しい契約書を作るには2週間以上かかると言うのです。
何を今更・・・と呆れるばかりです。
うちのような小さな会社と契約したくないという理由で、わざと対応を遅くしたり、契約条件を複雑にしているのであれば、最初に言って欲しかったです。うちも、時間と労力を無駄にしなくてもよかったし、もっと早くサービスを提供できていたかもしれません。
とにかく、急遽、別のソフトを模索することにしました。いくつか候補を探し、技術的な検証をし、ライセンス形態についての確認をして、最適なソフト(およびその開発会社)を見つけました。契約内容をつめて、後は押印するだけ、というところまで3日かかりませんでした。前述の会社で3ヶ月かかってできなかったことです。3日と3ヶ月、ビジネスの世界では致命的なスピードの差です。
そこは非常に小さな会社ですが、ソフトの内容としては、ほとんどかわりません。ちなみに、もともと契約しようとしていた会社にしても、独占販売権を持っている会社が大企業なだけで、開発しているのは小さなベンチャー企業ですので、開発体制としてもほとんどかわらないのです。
ビジネスを進める上でのスピード感覚の差がありすぎるところとは一緒にビジネスを進めることはできません。最初にその見極めが必要だと感じました。
今回はその見極めを誤ってしまいましたが、結果としては、よりよい条件の契約ができたので、良かったと思います。