夜遅くに何気なくテレビを付けたら、ジャパネットたかたのテレビショッピング番組がやっていました。
歯を磨く間の暇つぶし程度に付けたはずが、結局最後まで見てしまいました。
おかげでちょっと寝不足ですが、でもこの番組はもの凄く勉強になります。技術者上がりの社長、特に自社製品として良いものがあるのに売れないと悩んでいる社長には特にお勧めです。
私自身、自社製品やサービスには自信があるのに、売れない・・・と悩み、七転八倒しながら売る努力をしているのですが、なかなか成果が出ません。
ジャパネットたかたのテレビショッピング番組にはそのヒントが隠されている気がします。番組を見ていると、その商品が欲しいなぁという気になります。それでいて、お買い得であるとすれば思わず買ってしまう人も多いと思います。
特に参考になるのは、パソコンとかデジカメなどの紹介です。
正直、技術的に言うと微妙(間違っている訳ではないが、適切でないと思われる表現がある)のですが、それが如何にも技術者の意見で、売るための障害になる意見だと思います。
つまり、技術的に正しい説明なのかどうかはあまり重要ではなく、「明らかに間違いでない」内容で、見ている人にわかりやすいことが重要なのです。
「画素数」というのが、どういう意味であるかは重要では無く、それが多いことでどんなことが起きるのかの方が重要なのです。
ジャパネットたかたのテレビショッピング番組では、「画素数の多いデジカメ」を宣伝しているのではなく「大きく引き伸ばした写真のある生活」を宣伝しているのです。
画素数が多い→大きくプリントしてもきれい
という、そのカメラの特長を軽く説明し、その上で時間をかけて、「子どもの赤ちゃんの頃の写真を大きく引き伸ばして見ることができると、子どもが成人した後でも、いつでもその思い出の時代に戻れる」というようなことを説明しています。
大きな写真がある生活が、どんなに楽しいのかということを説明しているのです。その上で、最後に「それがこのカメラではできます。しかも、今回は特別価格で・・・」というような流れになります。
見た人は、自分の子どもの写真が大きく引き伸ばしたことを想像しながら、電話をしてしまうのでしょう。
技術系の会社(社長)の宣伝は、画素数が多いことや、画質がよいことや、起動時間が速いというような仕様的なことを説明してしまうのですが、大半のお客さんが聞きたいのは、仕様ではなく、その商品を使用することでどんな風に生活が変わるのかが、より心に響くのだと思います。
そういうことを考えながら、深夜のテレビショッピング番組を最後まで見てしまいました。
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