感激したセミナー(2)

先週後半に受けた2つ目のセミナーは、1つ目と同じく「元気クラブ」のセミナーです。「日本一元気とされるナゴヤ経済圏の中で、キラリと光る都市であり続けるために」というタイトルで、三菱UFJリサーチ&コンサルティング経営戦略部長兼プリンシパルの酒井英之さんのセミナーです。

 

内容としては、いかにして岐阜市を盛り上げることができるのかということでした。

私自身は、岐阜市民ではないので直接的に岐阜市を盛り上げる何かができると言うことは少ないと思いますが、自分の地元を盛り上げるヒントになりました。

 

セミナーの本題とは少しずれるかもしれませんが、私が一番感激したのは、顧客を感動させるサービスを提供している企業の事例です。

感激させるサービスと言っても、ショービジネスなどではなく、ごく普通の業種で行っているサービスです。畳屋さん、新聞配達会社、工務店での取り組みが紹介されました。

 

別にもの凄く難しいことをしているわけではなく、やろうと思えば誰でもできることなのですが、実際に実行するのは難しいことだと思います。例えば、クリスマスに、(希望する)顧客の家にサンタクロースに扮して従業員が訪問して、子どもにプレゼントを渡したり、わずかな畳の張り替えをした顧客に対しても、1年後に留守電に「梅雨が開けたら、天気の良い日に窓を開けて乾燥させてください」と入れておいたり・・・

 

私の涙腺コックを全開にしたのは、その様なサービスを受けた顧客や顧客の子どもからの手紙です。「○○ちゃんの部屋を作ってくれてありがとう」とか、「孫は、□□さん(大工見習い)と会うのを本当に楽しみにしていました」など、その様子を想像すると感激です。

 

都市も企業も、生き残るためには感動を与える必要があります。顧客を感動させられれば、どんなに経済環境が変化しても、必ず生き残り、かつ、成長してゆけるということを確認できたセミナーでした。

 

 

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感激したセミナー(1)

今週は、金曜日と土曜日と合わせて3つのセミナーに参加しました。

どれも為になるおもしろいセミナーでした。

 

ひとつ目は、読売新聞の「わが街企業ファイル」というコーナーで紹介された経営者の交流会(?)である「元気クラブ」 ところの講演会でのセミナーです。

 

講師は、岐阜県安八町にある浅野撚糸の浅野社長でした。

 

ご本人も何度も言われていたのですが、決して成功例ではなく、成功例となるべく奮闘中である現在進行形のプロジェクトの話です。進行中であるが故に、非常に臨場感があって、心に響くお話しでした。

 

必死に研究開発した技術が、ドンドン盗まれて行ったこと、大リストラを断行したこと、その時々の悔しさや、苦しさがバネとなって、今回の新しい商品開発が実現できたのだと思います。

 

その商品は「エアーかおる」という素晴らしいタオルで、従来のタオルの2倍軽くて吸水性の高いのだそうです。おみやげにタオルを一枚いただきました(喜)。

 

良い商品であるのは間違いないのですが、良い商品だからと言って売れる訳ではないのです。営業面でも苦労されながら頑張っている所なのだそうです。 

 

しかし、いろいろなお店で価格が高いということで断られても、価格を変えなかったそうです。

これは、私も常々感じていることですが、本当に価値のあるものであれば絶対に価格を下げてはいけないと思います。先代の社長も含めいろいろな人に「今の時代は良いものを安く出さないとダメ」と言われたそうです。しかし、それは安く出せる仕組みができていれば良いと思いますが、そうでなければ、一時的に売れて売上が伸びたとしても続きません。みんなが不幸になります。その状態で値段を下げるくらいなら辞めた方がよいと思います。

浅野社長が値段を下げなかった理由は、大手のバイヤーさんに「良いものは高く売らなければいけない」と言われて、高い値段で取り引きしてもらっていたためだそうです。ブランドを作ったり持っている人はその辺りはよく分かっているということなんだと思います。

 

その他にもいろいろ、参考になるお話しがたくさんあり、大変勉強になるセミナーでした。

 

 

直接仕事とは関係ないのですが、私が浅野社長に非常に親近感を感じたのは、浅野社長の趣味、生き甲斐、ライフワークが「妻のご機嫌取り」だと言われたことです。名刺交換させていただいたときに「同じ趣味、生き甲斐をお持ちの方にお会いすることができて感激しました」とあいさつさせていただきました(笑)。

妻がご機嫌だと、もの凄く仕事もしやすいし、自分も含め、家族全員が幸せだし、世の中全てがうまくいきます。非常に困難だが、やり甲斐があり、終わりのない挑戦です。

伝統文化が守れない理由(3)

先日、秋祭りの準備でしめ縄づくりをしました。

 

そのときに、また伝統文化を守るときの大きな問題を感じました。

 

まず、しめ縄の材料のわらがありません。昔はどこでも稲刈りを手で行って、それをその場で、棒にかけて干していました。その後脱穀するのでどこの農家でもわらがありました。

 

しかし、最近はコンバインで稲刈りをするところがほとんどです。コンバインは、稲刈りから脱穀まで一気に行います。わらは細かく切断されて撒かれます。その為、わらがありません。

 

一応、一部の農家ではまだ、コンバインを使わないところもあるので、そこに頼んでわらを確保しました。

 

でも、他にも昔通りにできない大きな問題がありました。稲の品種改良によって、稲の高さが低くなっているのです。つまり、台風などで倒れないように背の低い稲になっています。背が低いと言うことは、言い換えればわらの長さが短いのです。

昔はひと束のわらで、つながずに作っていたしめ縄が、今ではつながないと長さがたりないのです。

 

なかなか難しい問題です。品種改良によって、稲が倒れにくくなり生産性はだいぶ上がっていると思います。

コンバインなどはもの凄く農家の仕事を軽減しています。妻の実家でも昔は稲刈りとなれば、みんな集まって手伝う行事でしたが、今では運転手付きのコンバインをレンタルするので、半日もかからず一気に稲刈りが完了します(何年か前に農地改良で何枚かの田んぼが、一枚の四角い田んぼに変わっていますし)。

 

この生産性の向上の為に、昔はどこの農家にもあった長いわらを無くしてしまったのです。まさか、お祭りのために、背の高い稲を作って、手で刈るわけにもいかないし・・・。
 

 

せめて、縄の作り方だけは覚えて、次の世代に引き継いでゆきたいと思います。

 

 

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【本の紹介】二宮金次郎はなぜ薪を背負っているか?(猪瀬直樹)

小中学校に、薪を背負って本を読んでいる銅像や石像がたくさんある二宮金次郎は、勤勉で親孝行の象徴のように扱われています。

 

子供向けの本にも、子供の頃から幼い弟の面倒を見ながら、家計を支え、勉強もした二宮金次郎の物語が多くあり、私も読んだ記憶があります。そのほとんどは、「のちに立派な人になりました。」で終わっています。

実際、二宮金次郎は立派な人になったのですが、それがただの素朴で真面目な人ではなく、もの凄く先進的な金融システムを開発した人でもあるのだとこの本で始めて知りました。

 

二宮金次郎が活躍した江戸時代後期は、現代の日本と同じ低成長時代でした。しかも、地方も国も莫大な借金を抱えていました。そんな時代に財政再建を成し遂げた(地方では成功、中央では抵抗勢力などの反対で成功はしなかった)二宮金次郎については、是非とも現代の政治家の方々にも勉強して欲しいです。

 

もちろん、会社経営者にも当時の「家」を立て直した方法は勉強になりますし、蓄財する方法については、経営者でなくても非常に参考になります。

 

この本は、伝記というよりは、金融や財政についてを二宮金次郎の生涯と照らし合わせながら解説している本です。ただ、難しい理論で固められているのではなく、二宮金次郎が当時、仲間の奉公人に説明して理解させたりするほど、わかりやすいたとえと共に書かれています。

二宮金次郎はなぜ薪を背負っているのか?―人口減少社会の成長戦略 (文春文庫 い 17-14) 二宮金次郎はなぜ薪を背負っているのか?―人口減少社会の成長戦略 (文春文庫 い 17-14)
猪瀬 直樹

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インターンシップ

今日からインターン生I君が会社に来ています。インターンと言っても数日の職場体験的なインターンではなく、何かプロジェクトを成功させることを目的としたホンキ系インターンシップです。

I君は薬学部の大学生。うちの会社のクリニック向け受付システムの販売企画の立案と実行をしたいということで来てくれています。

この商品は、4年前から開発、改良を繰り返しており、かなり良い製品だという自信はあります。しかし、以前ブログにも書いたとおり、「良い商品が売れる」わけではないのです。売れるのは「良さそうに見える商品」なのです。その点では、うちの商品はまだまだ課題が多いのです。しかし、実際問題として、私も含めてスタッフも日々の業務に追われて、なかなかこの商品の販売戦略を考えたり実行したりできないでいます。

そんな中で、見つけたホンキ系インターンシップ制度。これに少し賭けてみようと思いました。

もちろん、二十歳そこそこの学生に将来の自社の成長に大きく影響するプロジェクトを託すというのは、かなりのギャンブルです。でも、「ホンキ系」と謳っているからには、受入側である私たちもホンキでサポートし、ホンキで成功を目指してゆくべきだと考えています。

ということで、最初のオリエンテーション(?)では、ホンキ度を語り、I君にプレッシャーをかけておきました(笑)。

このプレッシャーを乗り越えて何か成果が得られたとしたなら、恐らくうちの会社以上にI君の将来に大きなプラスになると信じています。

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