10年くらい前に、有名なコンサルタントの方が司会をされて、数名の起業家とパネルディスカッションをするイベントに参加させてもらいました。パネラーが登場の登場時に、ひとりづつ司会者がパネラーを紹介してくださったのですが、その時の私の紹介の言葉が、
「自由人」
というものでした。そんな紹介のされ方をしたことがなかったので、驚きましたが、その時はじめて自分がものすごく自由に生きているんだと気づきました。その日のディスカッションの中でも、(その方いわく)私は、好きな事を好きなようにやって、自由に生きているというようなことを言われました。
それまで、世の中の人はみんなそうなんだと思っていたのですが、実際はそうではなく、みんな好きな事を我慢して、言いたいことも言わず、やりたくないことをやっているのだと知りました。
その「自由人」という言葉がとても嬉しくて、その時からその言葉を意識するようになりました。
敢えて普通は選ばない選択肢を選ぶ、敢えて普通と違う行動をする・・・それが、私が一番私らしい状態なんだと思います。
誰も予測しない行動、意表をついた行動を取りたい。
やっと仕事を覚えて楽しくなってきたときに「一流企業を辞める」
何のあても計画もないのに「オーストラリアに行く」
起業ということをよく分かっていないのに「オーストラリアで起業する」
事業がやっと生活できるレベルになったときに「日本に帰る」
バブルがはじけて最悪と言われたタイミングで「起業する」
どれも、常識的にはあり得ない選択かもしれませんが、私としては、常識よりも自分の考えを優先して実行してきました。やっと仕事を覚えて楽しくなってきたのだけど、将来の自分が予測できてしまったことに不安を覚えて退職したり、なんとなく面白そうという考えに従ってオーストラリアに行くなど、自分としてはちゃんとした考えがあり、それに純粋に従っただけです。
少なくともその後20年は、予想以上に楽しく幸せな人生を送れました。この先も、たぶん今まで以上に楽しくて幸せになると思います。
今の時代、どんな大会社でも倒産するかもしれません。当然、うちの会社なんて20年後に存在している保証などありません。従って、私がこの先「今まで以上に楽しくて幸せになると思う」根拠は、会社が安定しているからではありません。
ずっと安定していないフラフラな綱渡りをしてきて、それが楽しいと思うからです。どんな状況になっても何とかなるだろうと思うからです。
社会構造の変化により、終身雇用や年功賃金を会社が保証できなくなってきた今日。就職のために個人には変化に対応できる能力や、エンプロイアビリティが求められるようになってきています。・・・と教科書に書かれているし、講義などでは私も言います。
でも、人生には「就職」よりもずっと大切なモノがあり、その為に必要な能力があると思います。それを、私は、
ライフ・エンジョイアビリティ と名づけました(もともと存在する言葉なのかもしれませんが)。
私は人並み外れたライフ・エンジョイアビリティを備えています。
この能力があればきっと幸せな人生が送れると考えています。
その壮大な実証実験が私の人生です。