9月23日に常滑のりんくうビーチで行われた第三回愛知アクアスロン大会に出場しました。
結果は、年齢別クラス、総合ともに1位でした。昨年のショートの部では、初出場で何も分からない中での優勝でしたが、今年はいろいろ考えて優勝できたので去年以上に嬉しかったです。
昨年のショートの部よりも、ロングの部は出場者も多いし、気合いの入った選手も多く出場するので、勝ちたいとは思っていましたが、実はちょっと不安もありました。このレースで勝つことよりもトライアスロンのレースで成績を上げることが最大の目標なので、今回は他人との比較ではなく自分のイメージしたレース展開でレースを行うことを目標としました。具体的には以下のことを目標としました。
- スイムで(前回のトライアスロンのレース以上に)頑張る。ラストスパートをしない以外はスイムのみのレースのペースで泳ぐ。
- ランはイーブンペースで走りきる。目標タイムは40分(4分/km )。
これまでレースではどうしても焦ってしまって、事前の目標通りに行かないことが多かったのですが、今回のレースはとても冷静に状況や体調を把握し目標を意識してレースが展開できたことが最大の収穫です。更には総合優勝という結果まで付いてきて本当に嬉しいです。
応援に来てくれた妻と子どもたちには本当に感謝、感謝です。表彰式では下の娘を担いで写真を撮ってもらえて良い思い出もできました。
以下は、今後のレースのための自分用のメモです。
【SWIM】
ゲートブイから右へ泳いで行くコースだったので、スタート位置は右側が混雑してました。無理に右側には行かずセンター付近の一番前からのスタートとなりました。カウントダウンで気分を盛り上げ、スタート。
今回はスイムを頑張ることを一つ目の目標としていたので、いつも以上にスタート時の速度を上げ、ゲートブイ付近ではほぼ先頭にいました。スタートポジションがセンターだったので右側からスタートした選手2名にゲートブイを超えたところで前に出られました。第1ブイまでは呼吸を整えながらも、6月のトライアスロンのレースよりは速いペースを維持しました。第1ブイを曲がった時点で、前の2選手とは10mくらいの差が付いていました。後ろの選手とはもう少し差が付いていました。
無理に追うことはせず、自分の狙った心拍数を維持する速度で泳ぎ続けました。第2ブイ付近は湾の外になるのでうねりが高くなって泳ぎにくかったのですが、それは前を泳ぐ選手も同じようで、差はほとんど変わらず第2ブイを越えました。次はゲートブイの間を抜けて2周回目に向かいます。2周回目の第1ブイを越えたあたりで若干前の2選手との差が縮まったのと、後ろの選手との差が開いたのを確認し、前の2選手がこの後猛烈にスピードアップしなければ、トップ集団3人でのスイムアップができそうだと思いました。2周回目の第2ブイあたりで周回遅れの選手が現れ始め、気を使いながらパスして行きました。第2ブイを越えた後はゲートブイの間を通ってスイムアップです。思ったほど前の2選手との差が縮まらなかったのですが、自分がこれだけのペースで泳いでいるのにそれよりも速いのは、きっと水泳選手だろう、ランは遅いだろうと勝手に思い込むようにして、焦らず心拍数を維持しました。ゲートブイを越えた後は右側にトランジットへの入り口があるので、ゲートブイは右側のブイギリギリに行くのが最短コースです。ところが、ゲートブイが近づくにつれ前の選手がゲートブイの左側に向かっているのが見え、心の中で小さなガッツポーズ!スイムアップは2位の選手と5mくらいの差の3位でした。後ろの選手は1分以上離れていました。
【トランジット】
トランジットエリアに入ったときには1位の選手は明らかに慣れてない感じで、普通のランニングウエアを着ようとしてました。2位の選手は慣れた感じでウエットスーツを脱ぎ始めました。ここで焦っても成績には影響しないと自分に言い聞かせながら、淡々とウエットスーツを脱いで、バスタオルの上に立ち足を拭き、座って靴下と靴を履き、キャップをかぶり両手にドリンクとゼリーを持ち、(トライアスロン仕様ではないのでランから装着する)GPS時計をスタートさせランスタート。劇速ではないけど、落ち着いてミス無くトランジットできました。
【Run】
ランは2.5kmのコースを4周回します。まずは、右手に持ったドリンクを飲み、ゴミを背中のポケットに入れ、左手のゼリーを飲み、ゴミを背中のポケットに入れます。
その時点で、前方と後方を確認すると、トップ選手は50mくらい先を走り、2位の選手は30mくらい先を走っていました。後方に選手は見えません。直線コースなので前の選手はずっと見えてました。約1kmでの最初の折り返し時点で、スイム1位だった選手は僕の目の前に来てました。そして、スイム2位の選手が1位になって僕の前方50mくらいにいました。その時点での僕の判断は、
- 2位の選手は明らかにランの速度が違うのですぐ抜ける。マークする必要はない。
- 1位を走るアメリカ人選手にはすぐには追いつけない。もしかしたらこのまま離されていくかもしれないが焦らず様子を見よう。
- 折り返しで後ろを走る選手の位置を覚えて、次の折り返し地点でマークすべき選手を見極めよう。
という3点でした。かなり冷静に状況を見えていました。最初の折り返し後すぐに、前の選手を抜き2位に上がりました。1位との差は縮まりませんでしたが焦らず、目標心拍数を維持しながら走り続けました。しばらくは近づけないかと思っていた1位の選手とは以外に早く差が縮まっていきました。2箇所目の折り返し地点の直前に追いつきました。2回目の折り返しは変則的な折り返しで、W字のようなスロープなので、ここで抜くのは難しいので後ろをついて行こうと思ったのですが、前の選手が折り返し時にコース取りをミスって膨らんだと言う加減速した為、図らずも抜いてしまいました。2箇所目の折り返しを終わった時点で、先頭が僕、すぐ後ろに2位の選手、100m程離れて3位の選手でした。3位の選手はドンドン差が開いていってのその位置だったので、それよりもその次の選手をマークしようと思いましたが、その時点では確認できませんでした。
周回の終わり残り200m位のところに、妻と娘たちが待っています。まだだいぶ心にも体にも余裕があったので、笑顔で手を振りながら通過しました。おかげで、背中のゴミを渡すのを忘れました。
1周回目が終わって、タイムを確認すると9分51秒。目標ラップは10分なので、いいペースです。ペースを維持することに集中して、折り返しまで行きました。折り返しの後、少し離れた道を走って戻ります。その道が見える所と見にくい所があるので、注意しながら反対方向の選手を見ながら走り、2位の選手は50mくらい離れているのが確認できました。これくらいのペースで差が開くとすれば、この選手には勝てると思い、それより後ろから追い上げてくるランが得意な選手を探しました。2位の選手の30mくらい後ろに追い上げてきた選手が見えました。赤いラインの入ったウエアの選手でした。この時点で、この赤いラインの入った選手に追いつかれなければ勝てると判断しました。
2周回目の2箇所目の折り返しでは、70mくらい後ろで2位と3位の選手が一緒になっていました。やはり予想通りスイムの早かった2選手はドンドン遅れてゆき、ランの得意な選手が追い上げてくるなと思いながら、逃げ切る方法をいろいろ考えながら走りました。2回目の妻子応援ポイントではちゃんとゴミを渡し、通過しました。
逃げ切るための作戦は二つ
- 少しペースを落として体力を温存し追いつかれてもついて行き最後にスプリント勝負する
- ペースを維持して後ろの選手の戦意を喪失させる
ただ、ランが得意で追いついてきた選手にスプリント勝負では勝てない可能性が高いので、選んだ作戦は後者。だいぶ苦しくなってきましたが、そのままのペースで走り続けました。そんなことを考えながら走っていたら3周回目に入るときにラップボタンを押すのを忘れてしまいました。でも、慌てず落ち着くように自分に言い聞かせ、確実に給水ポイントで給水しました。ゴミ箱がすぐ近くにしかなくて捨てられなかったので、紙コップを握りつぶして背中のポケットに入れて走りました。3周回目の最初の折り返し後、後ろの選手を確認すると、100mくらい後方に2選手。そのまま遅れて行くと思っていた2位の選手が意外に粘っていてまだ2位で、追い上げてくると思っていた3位の選手が意外に伸びずまだ3位でほぼ併走してました。体はだいぶ苦しくなってきてましたが、後ろの差を見てちょっと精神的にはラクになりました。
その頃には、周回遅れの選手をどんどん抜いていっていたので2位3位の選手との間にもたくさん選手がいました。3周回目の中盤で何となく自分に迫ってくる足音が聞こえてきました。でも、マークしている選手は100m以上後ろだったはず、まさか確認できていなかった別の選手が追いついていたのか。。。動揺を抑えきれないまま、その足音はついに横に並びました。もし本当に2位の選手ならついて行かないと絶対に勝てないし、周回遅れの選手であればこのペースを守ればいい、迷っていても仕方ないので、思い切って聞いちゃいました。
「3周回目ですか?」と。
するとその選手から帰ってきた返事は
「いえいえ。。まだ1周目です。」
とのこと。ホッとし、その選手について行くことはしませんでした。まだまだ自分の走力がランナーとしてはトップクラスではないことを思い知りました。もっとランニングのレベルアップもしたいと思いましたが、今はこのレースに集中しようと気を取り直し、自分のペースを維持しました。
3周回目の後半の折り返し地点で後ろの選手を確認したら、2位の選手との差はちょっと広がっていました。2位の選手は粘るアメリカ人選手、その後ろの3位の選手は周回遅れの選手にまみれてわからなくなりました。「大丈夫、大丈夫。」と自分に言い聞かせながら、妻子ポイント。カメラを向けられても、手を振る余裕はありませんでした。
3周回目を終え最終周回に入るときのタイムは30分28秒。目標より28秒遅れです。でも、どうにかペースは維持できています。最後の給水ポイントを抜け、少しずつペースを上げてゆきました。最初の折り返し後に確認した2位の選手との差は200m近くなっており、3位の選手はもうわかりません。勝利をほぼ確信しました。
最後の折り返し地点までペースを維持できました。2位の選手との差は若干広がってました。最後の妻子ポイントでゴミを渡そうと思ったら、どうやら妻子はゴール地点に移動したらしく不在。ゴミを自分のテントに投げ入れました。最後の直線に入って少し加速しながらゴール!!
合計タイム:1時間3分55秒
スイム:22分22秒
ラン:41分33秒
トランジットの時間を抜いたランのタイム:40分22秒(4分2秒/km)
周回後とのペース
3分56秒/km
4分4秒/km
4分11秒/km
3分58秒/km
【ゴール後】
トランジットエリアにおいておいたペットボトルの水をかぶったり飲んだりしていると、2位の選手がゴール。2位でスイムアップしてたアメリカ人選手でした。
握手を求める感じで近づいてくる彼に、こういうとき英語でなんて言えばいいのかな、自分より相手が上位ならCongratulationでよいかもしれないが自分が優勝者だし、Good jobとか、Well doneとかかな、Thank youとか言っておけば間違いないかななんて一瞬で考えまくっているうちに握手、と同時に「お疲れ様でした」と言われ、「お疲れ様でした」と返しました(笑)
表彰式では、下の娘を肩に乗せ写真を撮ってもらいました。
去年のショートの部に引き続き、ロングの部での総合優勝は本当に嬉しかったです。でも、もっと嬉しかったのは事前に決めていた二つの課題というか目標「スイムを頑張ること」と、「ランをイーブンペースで走りきること」ができたことです。また、レースの途中で冷静に状況を分析し、思った通りにレース展開できたことも、これまでのレースではできなかったことができて嬉しかったです。
今年はこのレースで最後ですが、気持ちよく最後のレースが終われました。これから約半年、トレーニングに励み来シーズンはさらにレベルアップを図りたいと思います。