私は自分の子どもに、幸せな人生を歩んで欲しいと願っています。
自分自身が、幸せでたまらないので、子どもにも同じくらい、もしくはもっと幸せな人生を歩んで欲しいです。
では、どうしたら子どもたちが私くらい幸せな人生を送ることができるのか?
もの凄く考えましたが、簡単ではありません。
例えば、私は中学高校と水泳を一生懸命やって、とても楽しかったし、その後の人生に大きく影響しました。では、単純に子どもたちに水泳をやるように勧めれば良いかと言うと、そうではありません。私は中学生から高校生まで、オリンピック選手に成りたいと思っていましたが、実際は県大会でも優勝できないくらいのレベルで、水泳の強い大学や企業からも全く声は掛かりませんでした。おかげで高校卒業を機に本格的な練習を辞め、他のことに取り組むことができました。
オリンピックに出たいと思っていたから、生活の全てをかけて水泳に打ち込めたし、それでも全く自分のレベルが全く低すぎることに気付き、挫折感を味わったし、それでも自己肯定感を下げすぎない訓練ができました。
子どもたちに、何かスポーツに打ち込むことがよいことだと勧めることはできても、目標の高さ、実際に到達できるレベル、それに伴って味わえる自己肯定感と、その後にその夢が打ち破られて下がる自己肯定感、それら全てを同じように体感してもらうことはできません。
幸せを感じられる具体的な条件は、人によって異なります。県大会にどうにか出られるくらいの選手であれば、県大会で3位になったらもの凄く幸せですが、いつも優勝している選手が、3位を取ったとしたらとても悲しい気持ちになります。
お金でも同じで、毎月の生活もままならない家庭の子どもは、年に1回でもファミレスに行けたらもの凄く幸せを感じますが、いつも外食している家庭の子どもは外食そのものには幸せを感じられません。
幸せを感じられるのは相対的な差を感じられるからなんだと思います。だから、幸せを感じられるかどうかは、置かれている状況とは関係なく、その状況の中でどれだけギャップを見つけたり感じたりできるかという事だと思います。
その能力を私はこれまでの人生での経験で身につけることができました。もの凄く貧乏な生活をしていたおかげですし、もの凄く苦しい状況に何度も陥ったからです。でも、これを子どもに勧めるのとか、強いるのは難しいです。苦しい状況でつぶれてしまう人もいます。私自身はたまたまギリギリつぶれないレベルの苦しみだったから乗り越えられただけかもしれません。
結局のところ、子どもたちには自分で道を選び、苦難に遭遇し、苦難を乗り越えてもらうしかない、と言うのが私の子どもたちに対する考えです。無責任だと自分でも思いますが、他に方法が思いつきません。
私としては、子どもたちに、どんなことがあっても親たちはあなたたちを愛しているということを、心の底から理解し感じてもらい、できるだけ苦難に挑戦しやすい心境を作ってあげるのと、私自身が人生の先輩として、1.ちょっと難しいレベルの目標を常に持つこと 2.目標達成に向けて努力し続けること 3.その状況そのものが幸せであると感じること を実践して見せてあげることはやってゆきたいと思います。