検索はもちろん、メール(Gmail)、アクセス解析、グーグルドキュメント、グーグルマップなど、私の仕事は完全にグーグルに依存しています。グーグルが止まったら、相当なダメージを受けます。
そんな重要な存在になってしまったGoogleについて、少しでも知っておきたいと思って読みました。Googleの強さのヒミツは、いろいろあって単に技術的に優れているだけではなく、人事システムや、マーケティング、そのほかいわゆる経営的ないろいろが、すごいのであっと言う間に巨大企業になったのだと思います。
それでも、やはり、他社と比べて一番優れているのは「技術」だと思います。しかも、その技術はかなり秘密にされている部分が多いです。本書でも、いろいろな資料から推測したり、「今は使われていないが過去にGoogleで使われていた技術」というような形での紹介も少なくありません。
それでも、Googleの技術のすごさは十分にわかります。
中でも私が一番驚いたのは、とてつもなく大きなデータの規模です。Googleが毎日集めている情報や、それを処理しているサーバーの数が、桁外れにでかいことです。
サーバーの数が40万台、消費電力は小型原子力発電所1基分(いずれも、データセンターの大きさからの著者の推測)というとてつもないサイズです。
40万台もサーバーを使っていれば、当然毎日、何百台かのサーバーが故障します。それでも、全く問題ないように全体のシステムとしては動き続けるように設計されているのに感動しました。
恐らく、Googleのハード担当者は、毎日出勤して、管理画面上に表示されている故障サーバー情報を見ては、データセンター内の該当ラックの扉を開けて、該当サーバー(ブレード)を交換して、また扉を閉め、管理画面をまた見る・・・という作業を、ふつうにこなしているだけなんでしょうね。
普通サーバーが故障したなんてことになったら、バックアップシステムがあっても、担当者は相当あわてて寿命を縮める思いで、作業にあたるのですが、Googleでは最初から毎日一定の割合でサーバーが故障する前提で、動いているシステムなので、特に担当者はあわてることなくルーティーンワークとして故障したサーバーを交換しているはずです。
テレビなどでGoogleの職場環境が紹介されて、みなさんうらやましがられますが、私の場合「故障したサーバーをルーティーンワークとして、のんびり交換できる」環境の方が遙かに羨ましいというか、欲しいです。
そんなシステムを支えているのは、Googleの天才達が開発した数々の技術です。その技術の一部が、この本でわかります。
Googleを支える技術 ~巨大システムの内側の世界 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ) 西田 圭介 技術評論社 2008-03-28 |