アメリカのビッグ3と呼ばれる自動車メーカーが瀕死の状態です。公的支援が一部確定しましたが、どうなるかは余談を許せない状況です。
なぜ、こんな状態になってしまったのか。
営業方法が良くなかったのか、財務戦略が良くなかったのか、もっとおおざっぱに言ってしまえば、経営方法が悪かったのだと思いますが、細かいテクニカルなミスについては私はよく分かりません。
しかし、ビッグ3が凋落した理由を一言で言うと「ラクをしすぎた」ことではないかと思います。
ピックアップトラックという大型で利益の大きい車をどんどん売って、基本部分は同じで、多シリーズやグレードの商品をどんどん作り、ますます利益率がよくなっていたのが、私の言う「ラク」ということです。
決して、ビッグ3が研究開発をしていなかったわけではありませんが、「ものすごく安くガソリンが買える広大な土地のアメリカで人気の出る車」それを「安く作り、横展開もして、ますますコストを下げる」ということを長年続けていたら、ガソリンが暴騰し、世界金融危機が起き、ビッグ3繁栄の大前提が崩れてしまったのです。
温暖な気候で、大量の食料がある時代に、どんどん巨大な体に進化していった恐竜が、巨大隕石の衝突を機に起きた気候変動に対応しきれず、滅亡したのと同じです。
恐竜が世界を支配していた頃、地味にコソコソと生きながらえていた哺乳類は、気候変動にも対応し、生き延びました。
未曾有(みぞゆうではありません)の金融危機から始まった大不況も、これまでラクに儲けていて、さらに効率よく儲ける方法を考え進化し、さらに儲けていた大企業がドンドン倒れてゆくことでしょう。
そんなときに、生き残り、次の時代の主役になるのは、大企業が最高益を毎年更新しているようなときにも、あまり儲からず必死に生きながらえてきた中小零細企業です。
そうです。やっぱり「待ってました大不況。よくぞ来てくれた大不況」です。