妻の実家から約10kmのところにある弁慶杉(ベンケイスギ)を見に行ってきました。
正月の鈍った体をほぐすためにも、歩いていくことにしました。距離的には1時間くらいでいけると思ったのですが、想像以上に標高差があり、時間がかかりました。
弁慶杉のある大船山は標高が1000m以上あり、標高差は500m以上あります。
弁慶杉までの道は、道幅3m程の林道で、途中には全く家や人の気配はなく、寂しい道です。道路もほとんど車は通らず、1時間に2,3台くらい弁慶杉や風車を見に行く車が通るくらいです。時々、熊出没注意の看板が出ていてちょっと怖いです。一応、冬眠の時期なので熊が出没することはないだろうと思っていましたが、念のため歌を歌いながら歩いてゆきました。
こんな時期に一人で、歌を歌いながら林道を歩いているのは、やはり怪しいので、通りがかる地元の軽トラのおじさんに「どうした?だいじょうぶか?」と声をかけられました。
頑張って歩いたのですが、上りなのでそんなに速くは歩けず、約1.5時間で弁慶杉の入り口までつきました。
弁慶杉は、源義経が奥州に落ちる際、武蔵坊弁慶が杉の小枝を折って、「願いむなしからずんば、この枝生い栄えよ」と地に挿したのが育って、大杉になったと案内板書かれていました。
鳥居をくぐり、山道を260m登ると大船神社に到着です。この山道の周りにも伊勢神宮の参道にあるような大きな杉の木が何本もあり、厳かな雰囲気が漂っています。伊勢神宮と違い、たった一人でそこを歩き、聞こえるのは強い北風に揺れる木々の音だけというのも、心が清められる感じです。
私は昔から悩んだときには、もの凄く大きなものを見に行きます。もの凄く大きなもの、もの凄く古いものを見ていると、自分の悩みなど、ちっぽけなものだと思い、またがんばれるのです。シドニーにいた頃は、住んでいたアパートから歩いて1時間くらいのところにあったノースヘッド国立公園の断崖絶壁や、空港を頻繁に見に行っていました。人生に悩んでいた時期でした。
さて、話を弁慶杉に戻します。大船神社で記名、参拝し、祭殿(?)の横をぬけて、少し下ると弁慶杉があります。
立派な杉です。言い伝えでは弁慶が逆さまに枝を地面に挿したために、枝が下向きに生えているのだそうです。大きすぎてイマイチ写真がうまく撮れません。携帯電話しか持ってゆかなかったことをちょっと後悔。
ずっと歩いてきていたので、体は温まっていましたが、数分弁慶杉の周りで写真を撮っていると、一気に手はかじかみ、体が冷えてきました。標高が高いし、山頂と言うことで風が猛烈に冷たいです。
弁慶杉の近くにはわき水(?)が飲めるようになっているところがあったのですが、完全に凍っていてひしゃくが取れませんでした。・・・が、縁起物(?)だと思って水だけは無理矢理飲みました(笑)。
帰りの道は、日も落ちかけて、ますます冷えてきたので、一生懸命歩いて帰りました。往復20km、これだけ歩いたのは久しぶりです。久しぶりに大きいものを見て、心も晴れ晴れとして、これからもがんばる元気がでました。
ルートをYahooMapのLatLongLabの猛レースに登録しました。
■弁慶杉