私は、約4年間オーストラリアで暮らしていたのですが、そのときに一番勉強した、または勉強する気になったのは英語ではなく、日本語です。
英語があまり出来ない言い訳と思われるかもしれませんが、それだけではありません。
オーストラリアで働いていた会社は、翻訳の会社でした。日本語堪能の優秀な翻訳者が何人もいました。その人たちは、日本語を学問として学んでいるので、そこらの普通の日本人より日本語に詳しいです。そんな人たちから時々出る日本語に関する質問は、かなり高度です。
オーストラリア人に日本語のことを質問されて、答えられないというのは、恥ずかしいので、日本語を一生懸命勉強しました。
言語というのは、かなりその国や民族の文化とつながっています。言語を理解する(説明)するには、その言語の文化的背景なども説明する必要があり、そういうことも勉強しなければいけません。
私は小学校の頃から、一番嫌いな授業は国語で、成績もよくありませんでした。
でも、オーストラリアに行ってから、日本語の勉強が楽しくて、日本の伝統文化などにもとても興味を持つことができました。子どもの頃にこれくらい楽しく勉強できればよかったとも言えますが、逆に20代でこの楽しさを知ることが出来たのは良かったとも言えます。
英日翻訳の仕事では、当然ながら正しくよい文章を出さなければいけません。差別用語や、差別用語と勘違いされそうな用語を使わないとか、解釈が複数ある言い回し(黒い瞳の美しい女の子など)をしないなどは、今でも無意識に注意できるようになっています。
特に差別用語には敏感で、結構有名な人の講演を聴いているとき、差別用語が出てきて、ドキッとしたりします。もちろん本人はそれが差別用語である(または、差別用語と間違われるからNHKなどでは使わない言葉)ことを知らずに使っているのですが・・・
ちょっと話がそれましたが、とにかく、オーストラリアに行ってから、日本語のおもしろさや、日本語を勉強する必要性と楽しみを理解することができたのは、大きな成果だと思っています。
今の日本にガッカリしている若者達には、是非海外に行って、日本が好きという外国人と出会い、日本の良さを知って欲しいと思います。