文部科学省が小中学校では持ち込みを原則禁止とする通知を出したそうです。
これについて私はちょっと疑問を持っています。持ち込みを禁止したところで問題は解決しないと思うからです。特に高校については、「すでにみんなが使っているから」という理由で、禁止にはしないことからも、この通知の無意味さがうかがえます。
授業中のケータイ利用が問題なのであれば、もっと別の対策をすべきなのではないかと思います。授業中の使用については、校舎内では電波が届かないようにする装置を付けるなどの対応をして、親たちにも「緊急の連絡は学校の電話にしてくれ」と言えばよいと思います。
ネットいじめについては、それこそ学校内でのケータイ禁止をいくら徹底したところで意味がありません。放課後や休日などは規制することはできないのですから。
ケータイサイトが、どんな危険があって、どんなことをやってはいけないのか、なぜやってはいけないのか、それらを十分に教育した上で、それでもそのルールを破る子供達には、何らかの制裁や規制を加えるべきだと思います。大半の子供達は、危険性やルールやマナーを知らないから被害にあったり、ひどい目にあったりしているのです。
しかし、ここで大きな問題が出てきます。では、誰が子供達にそれを教えるのか?ネット上のマナーやルール、危険性についてよく知っている大人がどれくらいいるでしょうか?学校の先生で、ネットの危険性についてちゃんと教えられる人がどれくらいいるのでしょうか?
私が普段受け取るメール(送り主はもちろん大人です)でも、ルールやマナー違反のものが結構あります。シグネチャも何も連絡先も書かれていなくて「資料送ってください」とだけ書かれているようなメールなど、もう少し勉強して欲しいと思います。
そもそも、現在「大人」と呼ばれている人の大半は、学生時代にはメールもインターネットも使っていなかった人です。ちゃんとした基礎的な教育も受けていないし、何となく見よう見まねで「どうにかメールの送受信ができるようになった」という人が多く、メールのルールやマナーをちゃんと教えてもらっていないと思います。
個人情報の管理の仕方や、公開して良い場所かどうかの見極め、パスワードなどの管理、ウィルスや本当の意味でのその対策、について、大人でもよく分かっていないために、時々、情報漏洩のニュースが流れます。
現在がどんな状態かと言うと「自動車が発明されてから10年くらいでほとんどの人に普及した」状態のようなものだと思います。まだルールも何も決めていない段階で、「便利だから」という理由で、みんなが勝手に乗り始めた。しかも、10年くらいでほとんどの人が持ってしまった。当然、事故は起きまくるし、悪いことに使う人もたくさん出てきます。
そんな状態で「学校には車に乗ってきてはいけません」なんて言っても、何の解決にもならないのです。
また、子供達の間で流行するサイトは、常に変化しドンドン新しいものが出てきます。場当たり的な、「これをやっちゃダメ、ここに書くのは危険」という指導では追いつきません。根本的な危険性に対する知識とそれを回避するための手段を学ぶ必要があります。
文部科学省は、まず、大人達にちゃんとしたネットやケータイについての教育をして、家庭や学校で、ちゃんと指導できるような状態を作るべきだと思います。