先日、ある方と話をしていて、私にはお金を借りたり、もらったりするすごい才能があると指摘されました。
自分ではそんなことをあまり意識をしたことがありませんが、冷静に考えてみると、うちの会社が13年も続いているのは、それが最大の理由だと思います。12回の決算で、実質的な黒字を出しているのは2期です。残りの10期は実質赤字。会社の利益が経営者の評価点と言われるので、そう言う意味では、私は経営者として全くダメです。
でも、赤字垂れ流しでも13年近く続いているのは、私がお金を借りたり、もらったりすることができたからです。もちろん、借りるのは銀行です。消費者金融、親類、友人などからは借りません。
会社経営の基本なのですが、会社は赤字でも倒産しません。現金が無くなると倒産します。その証明が、最近倒産している会社の多くが前期まで黒字だったということであり、ずっと赤字のうちの会社が倒産しない事実です。
コンサルタントとしても有名な経営者の方が、利益を出さずに納税もしない会社は存在する意味がないと言われています。しかし、私は、例え法人所得税を納税できなくても、社員の給料を払い、厚生年金や失業保険を払い、法人市県民税を払い、そして、社員とその家族に、「もう少しで会社が儲かって給料も増える」という希望を与え続けられるのであれば、存在価値はあると思います。
少し話がそれましたが、うちの会社が存在し続けるために、これまで私が当たり前のように金融機関からお金を借りたり、公的な補助金を受け取ってきたことは、意外と世間一般の企業から見るとすごいことなのだと、その方から指摘をされたのです。
それでは、そのお金を借りたり、もらったりするコツをお伝えしたいと思います。担保に出せる資産も、保証人になってもらえる人もいない貧乏会社が、どうやってお金を借りることができるか・・・
気合いと執念です。
なんじゃそれ!と怒られるかもしれませんが、実際、私が他の経営者の人と比べて優れているとすればこれだけです。銀行などに行って「お金を貸してください」
と言っても、当然断られます。決算書はボロボロ、資産もない、保証人もいないなどといろいろな理由を挙げられて断られます。そこで、あきらめたらダメです。いろいろな説明資料を作って、何度も足を運ぶ、いろいろな金融機関に足を運ぶ、支援機関で支援制度を勉強する・・・そういうことを繰り返していると、お金を借りる道が見えてきます。
ちなみに、この大不況の今は、支援制度がものすごくたくさんあるので、ちゃんと手続きすれば、簡単にお金を借りられます。気合いと執念が無くてもマメささえあれば借りられます。市役所でも県庁でも、中小機構でもどこでも良いので
「不況で売上げが落ちています。お金貸してください」
と言うと、適切な制度を紹介してもらえます。
ただし、お金を借りて生き延びた後の会社の姿がちゃんとイメージできる人だけにしておいたほうが良いと思います。
何が何でも絶対倒産しない
という気合いがなければ、やはり早めに倒産して次の道を探した方がすべてにおいて良いと思います。