都市部では保育園が足りず待機児童がたくさんいます。働きたい女性が、保育園に子供を出せないから働けないという大きな社会問題になっています。
私が住んでいるような地方では、そう言う問題がないように思われるかもしれません。確かに、先日卒園したHannaのクラスは8人。Youは今年から年少組ですが、去年、未満児クラスが1人になってしまいそう(1人だと未満児クラスが無くなって年少クラスに入れられる)だから、Youちゃんおいで〜と、保育園の先生にも誘われるくらいでした。
つまり、保育園には希望すれば、ほぼ100%入れます。
しかし、だからといって小さい子供が育てやすい(女性が働きやすい)環境かというとそうでもありません。人数が少ないので、延長保育や土曜日に預けたりするのはできません。法律的にはできるのですが、もともと先生達のスケジュールが、延長保育や土曜日の出勤を前提としていないので、そんな中で一人だけ「土曜日もお願いします」と言えない雰囲気になっています。
都心に住んでいると、「そんなの当然の権利なのだから言えばいいじゃん」と思えるかもしれませんが、それが言えないところが田舎の特徴です。この特徴が地域の平和をもたらすのです(殺伐とした都心との最大の違いです)。これについては、別の機会に書きたいと思います。
さて、子育てがしにくい(女性が働きにくい)環境の話に戻しますが、保育園以上に問題なのが小学校の低学年の子供がいるとさらに問題があります。
保育園は一応4時くらいまで見ててもらえますが、小学校の低学年は2時くらいに学校が終わってしまいます。私が子供の頃なら、夕方までグランドや教室で遊んでいれば良かったのですが、最近はその間に事故が起きたときに誰が責任をとるのか?という問題から、授業が終わったらすぐに帰らなくてはいけないのです。学童保育などのシステムがあればよいのですが、そんなものもないので、結局家に帰るしかありません。都心の産廃(?)を運ぶダンプが行き交う細い道を、ランドセルが歩いているような小さな子供に一人で帰らせるのは、かなり怖くてできません。
結局、誰かが途中まで迎えに行き、帰宅後は家に一緒にいないといけません。母親が仕事をするとしても9時から13時まで・・・ということになり、なかなかそんな都合の良い仕事は見つからないし、見つかったとしてもこれだけ短時間だと、多くの収入は期待できません。
これらの制度が、これまで大きな問題になってこなかったのは、昔は、
- 子供達だけで遊んでいても安全だった
- 親と同居している人が多かった(家に必ず誰かがいた)
- 車(特にダンプ)の通行量が少なかった
という状態だったからだと思います。それが、うちのような地域でも都市化が進み、不審者が出たり、ダンプが増えたり、殺伐としたルールが増えたりしてきて、いろいろな問題が限界に来ているのだと思います。
解決方法として、どうすればよいのかというのはとても難しい問題です。車と犯罪を減らせばよいのですが、交通が発達し、都心に人が集中し、大量に効率よく物流ができるために得られた便利さを、今の社会から切り離すことはできません。
一気に全てを解決することはできないので、小さなことでも、少しでも良くなることをみんなで考えて実行してゆくしかないと思います。