マスコミがあおりまくって、もう日本経済は終わりのような報道をし続けて約半年。なんとなく最近はもう不景気のニュースに世の中も免疫がついてきたのか反応が薄い気がします。
景気の判断というのはいろいろな指標があるので、一概に言うことはできませんが、おおざっぱに言えばGDPが増加すれば景気は良くなっていると言えます。そのGDPの半分以上は個人消費です。
つまり、個人消費の落ち込むと、GDPも落ち込みます。
では、個人消費の落ち込みの最大の原因は何でしょうか?
収入が減った、失業者が増えた、など、いろいろな理由がありますが、最大の理由は「将来に対する不安が増大した」ことです。大企業が大赤字でベースアップゼロだと言っても、ボーナスは5ヶ月も出て、定期昇給もあります。実際の年収が昨年に比べて何百万円も減るなんてことはありません。でも、その人達は家や車などを買い控
え、個人消費が大幅に落ち込んでいるのです。
個人消費の落ち込みは、収入減より不安増がもたらしているのです。
では、なにが不安増をもたらしているのか、それは政治とマスコミだと思います。やたらと不安を煽るマスコミと、安心できるメッセージを伝えられない政府が、国
民の将来に対する不安を増加させ、それが、個人消費の落ち込みにつながり、そして、GDPが落ち込んで景気が悪い状態になるのです。
もともと日本人はアメリカ人に比べて臆病で慎重です。それは、個人資産を投資と貯蓄への振り分け比率をみてもわかります。アメリカ人の投資意欲と、狡賢い英知が今回の金融危機を招いたわけですが、立ち直りのきっかけもアメリカ人の投資意欲がにぎっています。
私は、アメリカは比較的早く立ち直るのではないかと思っています。その理由は、アメリカ人の投資や消費に対する考え方です。
日本人が、「こんなひどい目にあったのだから二度と同じ失敗はしない」と慎重に慎重に、堪え忍んで、ちびちびと貯蓄をしている間に、アメリカ人は、儲けるチャンスだと思って、投資や消費が増えてゆくと思うからです。
アメリカの経済誌ニューズウィークに「Stop Saving Now!(節約をすぐ止めよ!)」
という記事が書かれたりするのは、その考えが国民から指示される(雑誌が買われる)からです。つまり、アメリカ人は「節約をしたくない」と考えていて、それを著名な雑誌で著名な記者が書いていたりするとうれしいのです。
日本で逆の報道ばかりされているのは、それを国民が期待していて「やばいよ、やばいよ! お金を使っちゃダメだよ」と著名人が言うのを聞くのがうれしいのかもしれません。
日本経済を良くするには、
- マスコミなどで「節約するな」と宣伝する
- 節約しなくても安心であると政府が伝える(もちろん、そういう社会にする)
これだけで、だいぶ良くなると思います。