大脳新皮質ではなく、旧皮質で泳げるように

大脳には、新皮質と旧皮質があります。大脳新皮質は高度な判断を行う部位で、いわゆる人間的な論理的判断を行っています。

しかし、大脳新皮質での判断や、体への指示には時間がかかります。時間がかかると言っても、1秒に満たない時間ですが、スポーツにおいて、ゼロコンマ何秒というのはとても長い時間です。

泳いでいるときに、手のひらの入水角度、キャッチ、肘を高くキープしたままのプル、それと同時に腰を安定させた状態でのキック、体をローリングのタイミングに合わせた腕のフィニッシュ・・・それを一連の動作としてスムーズに行うのに、1秒程度しかかかりません。

つまり、大脳新皮質で考えていては間に合わないのです。

 

大脳新皮質よりも、古くからある(両生類にもある)大脳旧皮質や小脳などでは、生存に必要な動作を自動的に行うための指示を出すことができます。古い脳は、高度な判断はできないのですが速い処理を行う場所です。

 

フォーム改善をするときは、最初は大脳新皮質を使って、あれこれ考えて、挑戦します。腕の向きや角度を意識して、確認しながら泳ぎます。何度も何度も繰り返し、大脳新皮質を使わなくても、そのフォームで泳げるようにならないと、実際のレースでは泳げません。

 

どんなスポーツでもよく「頭で覚えるのではなく、体で覚える」 と言いますが、これは実際には、大脳新皮質で理解し、覚えたものを、大脳新皮質の判断をしなくても実施できるようになることです。

 

去年からフォームの改善を進めていますが、まだまだ、大脳新皮質で必死に考えながら実施していて、緊張+興奮しているレースでは、全くフォームが崩れます。

早く古い脳で、泳ぎを完成させたいです。

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