Youと御嶽山登山(当日)

前日、7時半までに就寝したYouは当日6時前にすっきり起床。

普段の保育園の準備より何倍も早く出発の準備が完了し、朝食の時間を待ちました。

 

食事を済ませ、宿の方が登山者用に準備してくれたおにぎりとバナナをもらって宿を出ました。

 

田の原の駐車場に到着したのは8時前でした。駐車場は既にいっぱいでしたが、きっちりと線が引いてあるわけでなく、軽自動車ならいろいろ駐められるところがあり見晴らしのよい場所に駐車しました。そこで、高度になれる意味も込めて、車でYouに御嶽山の絵を描かせました。

 

8時半頃にいよいよ出発・・・と思ったら、それまで、猛烈にやる気満々だったYouが「だっこ!」と言い出します。まだ、駐車場を歩いて登山口に向かっている段階で!

 

やっぱりダメかと思ったのですが、どうも寒くて、ちょっとお腹が空いているのが「だっこ!」要求の理由のようだったので、とりあえず、服を1枚着せ、飴を一つ口に入れてやりました。

 

すると、急にご機嫌回復! この立ち直りの早さはYouのよいところです(正しい欲求を口で言えないのは4歳児としてはやむを得ないところでしょうか)。

ご機嫌回復して、登山口から出発しました。大人の登山者と比べれば遅いのですが、自分でちゃんと歩いて登山道を進んでゆきます。

最初は、普通の砂利道が、進むにつれて、だんだん、階段状に整備された山道になり、その後は、岩がむき出しになった山道になってゆきます。

御嶽山は3000m級の山の中では、もっとも登山道が整備された山だそうで、大人にとっては、階段を登るように登ってゆける道ではあります。でも、4歳のYouにとっては、1段の階段を登るのにも、時には手をつき、時には腹をつきながら、全身で登らなければいけません。

途中ですれ違ったり、追い越してゆく登山者の人たちは、口々に「すごいねぇ」「がんばってるねぇ」「何歳?」と声をかけてくれます。

この言葉が、ますますYouのやる気を増大させて、これまで4年間で見たこと無いほど頑張ってへこたれずに登ってゆきます。

 

最初の(本格的な)休憩は、大江権現というところでしました。明治9年まではここから先は女人禁制だったのだそうです。Youにそのことを話すと「なんで?」という極々あたりまえの質問が返ってきました。「昔は男の人と女の人が、入っていいところと入ってはいけないところがあったの」と説明すると、「お風呂といっしょ?」と言うので、そういうこととしてとりあえずは理解してもらいました。

 

この大江権現には、田の原から975mの所にあるそうです。Youは険しい山道を1km近く登ってきたと言うことです。よく考えたら、これでも充分すごいと褒めてやるべきでした。

 

休憩を終え、だいぶ疲れた感じではありましたが、まだまだYouは頑張ります。それからさらに険しくなる山道を、全身で登ってゆきます。

振り返ると、雲海が見えています。

 

だいぶYouの進むペースが遅くなってきました。

二回目の本格休憩は、あかっぱげ。

 

もう、ここでYouは限界な感じです。抱っこでないと歩けないと言いだし、飴やお菓子で釣っても釣れません。

 

一緒に休憩していた夫妻から、もう少しで森林限界が来て、一気に眺めが良くなると聞き、何とかそこまで登ろうと思い、Youを説得し、少しだっこすることで登ることにしました。

 

多めに持ってきた飲物や食料が、ここへ来て堪えます。

自分一人であれば、カロリーメイト1箱とポカリスエット1リットルくらい持って山頂まで駆け上がれるな・・・などと考えながら、荷物とYouを抱えてゆっくり登ります。

 

そして、とうとう森林限界を超え、山頂と、駐車場が見渡せる金剛童子までたどり着きました。

 

山頂まで、登山している人たちの列が見えます。つまり、登っている人はずっとしたの景色が見えるはずです。

 

写真中央に見える山が三笠山。その中央付近に見えているのが、駐車場。そこからここまで歩いてきました。

 

 

この先は本当に岩がごろごろした登山道です。3000m級の山の中では、とても整備された道なので、普通に登るだけなら特別な装備は不要ですが、子供を負ぶって登るにはちゃんとしたおんぶ装備が無いと危険です。

なので、まだ、11時前でしたが、ここを本日のゴールとしました。この決断を、帰宅後妻にえらく褒められました。確かにこれまでの私の行動パターンから考えると、もっと登っていた可能性が高いです。自分一人であれば、靴が無くなっても登っていたでしょう。でも、英断しました(笑)。

 

持ってきたおにぎりを食べたり写真を撮ったりしてのんびり休憩しました。Youは、岩場を楽しそうに動き回っていました。

 

森林限界を超えているので、風を遮る物が無く、標高も2400mを超えているので、休憩していると体が冷えてきます。 Youにも上着を着せました。

 

休憩しながら、登ってくる人たちを眺めても、さすがに、この辺りまで自力で登ってくる子は、小学生くらいの子ばかりです。4歳のYouはやっぱりすごく頑張ったんだなぁと感心していると、下の方から元気な子供の声が聞こえてきます。

見ると、Youより少し大きい(でも小学生ではない)女の子が、ランニングシャツ1枚で駆け上がってくるではありませんか!

少し後ろを、その子が脱ぎ捨てた服を持った老夫婦が登ってきます。大騒ぎで、半鐘(?)をならしたり、金剛童子にお参りをしたりしたかと思うと、そのまま、山頂に向けて登ってゆきました。

 

あっけにとられるYouと私。

上には上がいるもんだと思いました。

 

それを見たからという訳でもないでしょうが、下りはYouはほとんど弱音を吐かず、自分でずっと歩いておりてゆきました。

 

高低差の激しい山道を4km以上歩いたのはYouにとっては、間違いなく始めてのことです。母親がいたらきっと半分も行かないところで、へこたれていたでしょう。

無謀で頼りない父ちゃんとの二人旅行は確実にYouを成長させたと思います。

出発の時と帰ってきたときに、登山口からちょっと進んだところで写真を撮ったのですが、帰りの写真の方が一回り大きくなっているように見えたのは、気のせいでは無いと思います。

コメントする