リスクヘッジ

会社を経営する上で、リスクヘッジは、とても重要です。

リスクヘッジというと、デリバティブと呼ばれる金融派生商品によって、投機的な投資を行うヘッジファンドをイメージされ、あまりよい印象を持っていない方もいるかもしれません。確かにデリバティブもリスクヘッジをするためのものです。しかし、私が今回言いたいのは、別に金融商品や投資についてのリスクヘッジではなく、売上げ減に対するリスクヘッジです。

 

会社は、いろいろな原因で売上げが落ちる可能性があります。そのときに即倒産しないように、普段からリスクヘッジをしておかなくてはいけません。

うちの会社のようなシステム開発会社も、仕事の取り方によってはとても大きなリスクを負います。10年近く前、ジーアップでは当時の会社の規模から考えるととても大きな公募のプロジェクトを毎年こなしていました。実に年間売上げの半分以上を一つのプロジェクトで稼いでいました。

ほぼ私一人でやっていたので、それなりにラクにもうかってもいました。しかし、その状況はとてもリスキーな状況でした。当時から分かっていたつもりですが、日々の仕事に追われているのと、それなりにキャッシュが回っている状況に、かまけてリスクヘッジをおろそかにしていました。

つまり、そのプロジェクトが採れない状況になったときの危機回避策を何も持っていなかったのです。また、公募だけでなく、普通の仕事も、1社の優良顧客からとても利益率の高い仕事をもらっていたので、ほとんど営業活動もせず、ただ、依頼メールに従って仕事をしていたらそれだけで、儲かっていました。

 

しかし、状況は変わります。IT系の公募が減り、応募できる企業の条件も変わり、応募できるものが少なくなり、採択されなくなりました。また、上場企業で安定しておいしい仕事をもらっていた、優良顧客だったところも、業績が急激に悪化し、依頼される仕事が激減しました。そうなると、あっと言う間に危機が訪れます。

 

なんとかその危機は乗り越えましたが、そのときにとても勉強になったというか、肝に銘じたことが、リスクヘッジです。

システム開発という仕事の多くは、依頼されたプログラムを作って、納品して、お金をもらうという仕事で、基本的には作ったときにお金をもらいます。それだと、来年の売上げを予測するのはとても難しいです。

そこで、少しでもメンテナンス費用を頂くようにしてきました。例えそれで、初期の開発費用を少なく抑えられたとしても、継続的に収入が得られるメリットの方が大きいからです。

 

ソフト開発会社、ホームページ制作会社などで、順調に業績を伸ばしているところは、ほとんど制作費よりもメンテナンス費に重点を置いています。

先日、たまたま同じ日に打合せをしたホームページ制作会社(どちらも業績は良い)でも、制作費は利益でないくらいでもよいが、必ずメンテナンス契約をして継続収入を得ていました。

これまで、リスクヘッジが難しいと考えられていた業種でも、リスクヘッジは可能です。

例えば農業。農業は天候などの気象条件によって収穫の差があり、とてもリスクが大きい業種です。しかし、貸し農園や、オーナー制度のサービスは安定的収入が得られます。1年間一定の面積や、木の収穫の権利を第三者に売るということなのですが、他の金融商品と違って、収穫体験などエンターテイメント的なサービスも付加できて、さらに価値を高めることが可能です。

 

外的要因によって売上げが大きく変化するビジネスにおいては、安定的に収入につなげる方法を考えることがとても重要です。ジーアップでもさらに安定収入化を進めてゆきたいと思います。

コメントする