私がオーストラリアにいた頃、一番勉強したのは何かというと、日本語です。小学校の頃から国語が嫌いだった私が、生まれて初めて日本語に興味を持ったのはオーストラリアにいた頃です。
きっかけはいろいろあるのですが、一番大きいのは、日本語を勉強している現地の大学生と交換授業を行ったことです。英語を教えてもらっていたのですが、時々日本語についても教えてもらったりして、日本人なのに日本語がちゃんと使えない自分が悲しくなり、とても恥ずかしくなって、一生懸命勉強しました。
物心ついたときには日本語を話せるようになっている私たちは意外と学問として日本語を学んでいないので、理由をちゃんと説明できない言葉遣いが多いです。最初はそんな理由でしたが、最終的には翻訳会社に就職し、日本語をプロとしてチェックする立場になったことで、単に正しいだけでなく、統計上読みやすい文字数や漢字の出現頻度や、言い回しなどについても勉強しました。もちろん、現在ブログを書くときにそこまで神経を使っていないのですが、1文の長さ程度は確認しています。
海外で就職するのに、英語は必須と考えがちですが、私の場合、現地の翻訳会社に就職できたのは、日本語タイプの速さです(最初はタイピストでした)。そして、その後2年間で時給が約10倍に上がったのですが、それは、日本語をものすごく勉強したからです。
英語が少々話せたところでオーストラリア人にはかないません。でも、日本語の高度な知識を持つオーストラリア人はそんなにいないので、オーストラリアで就職するには日本語力が役に立ちます。だから勉強した・・・訳ではなく、純粋におもしろさを知ったから、勉強したのですが、結果、就職にもその後の人生にも大いに役に立ちました。
日本では間もなく英語を小学校でも教えることになったそうですが、私は大反対です。どちらかというと「実用日本語」をもっともっと増やすべきだと思います。昔に比べメールなど「文章」によるコミュニケーションの比率が増してきている昨今、非常に日本語力の寂しい人が多いです。
今の日本人に必要なのは英語力ではなく日本語力だと思います。