だいぶ前に読んだ本ですが、そう言えば最近本の感想を書いていないので、久しぶりの本の感想です。
ちょっと前まで時々テレビに出ていた精神科医の香山リカさんの本です。結論から言ってしまえば、著者は「スピリチュアルにハマらない人」で、精神科医として、昨今のスピリチュアルブームについて解説してます。
私自身も、スピリチュアルにはハマらない人です。本書に書かれている血液型も、守護霊も、前世も全く信じていません。と言うか、信じているとかいないとかそう言うことを語るようなテーマであるとも思っていません。
・・・が、こういうことを言うのは、著者も書いているとおり若干の勇気が必要です。スピリチュアルなことを信じないと言うと「頭の固い人」とか、「目に見えるものしか信じない心の貧しい人」と見られるからです。
ただ、少し言い訳をしておくと、私自身は目に見えないものを全て信じないわけではありません。人間の精神力についてはもの凄く信じています。執念とか信念などで、ほとんどのことはできると思っています。ある意味スピリチュアルなものを信じているのですが、それは決して、絶対的な神様がコントロールしているものではありません。
あと、ご先祖様を敬うこともとても重要だと思っています。年に何度かはお墓参りに行って感謝を伝えるとよい人生を送れると思います。しかし、これも空の上で、ご先祖様が見ていて、「よしよし、こいつはいつも墓参りに来ているから、よいことをしてやろう」なんてするのではなく、あくまでも感謝の気持ちやご先祖様を敬う気持ちを持って生きている人、そのものの魅力によって、よい人生が送れるのです。
・・・と、だいぶ本の感想とかけ離れてしまいました。
この本は、基本的に「スピリチュアルにハマらない人」である著者が、昨今のこのブームがなぜ起きているのか、について解説している本です。恐らく、エハラーの人や、名刺交換時にも血液型を聞くような人が、読んでもバカバカしい話しにしか聞こえないかもしれません。
私としては、とても面白かったです。なぜ、今、江原啓之という人が絶大な支持を受けているのか、その時代背景や、社会情勢などをふまえて開設されています。
オウム事件や、小泉首相のブームなど、いろいろな要素によって時代が変わり、また、江原氏自身も、初期の頃の主張(主張そのものというより主張の仕方)から、少しずつ時代に合わせて変わって、そして今ちょうど、時代にばっちりマッチして、ブームになっているのだというのが著者の主張です。私もかなりの部分で納得できて、共感します。
オーラってどうよ?と思っている人には、面白く読める本だと思います。