ビラ配りや飛び込み営業を社長がする意味

インターネットの普及など時代の変化により、企業やお店の営業手法は変わってきています。

 

高度成長期くらいまでは、みんなが物に飢えていたので、「隣の家がカラーテレビを買った」と言えば、テレビが売れるような時代でしたが、今は、必要な物は全てそろっているので、何にお金を使うのかはそれぞれの趣味趣向で決めることが多くなってきました。

消費者の要求が多様化していると言います。

 

こんな時代に、上司が部下に

「根性で売ってこい!」

と活を入れて、部下が闇雲に飛び込み営業をするというのは、完全に時代遅れです。ほとんど効果はありません。

費用対効果を考えたら、ホームページを更新したり、内容の濃いメルマガなどを作る技術を磨いた方が断然良いです。

 

でも、飛び込み営業とか、ビラ配りとかを、今でも是非すべき人はいます。会社の経営者クラスの人です。

もちろん、それで売上げが伸びることはほとんど期待できません。でも、いろいろなことを思い出すことができます。

先週末、私は何年かぶりにビラ配りをしました。見ず知らずの人たちに「こんにちは〜」と声をかけながら、ビラを渡す。

こんな年になってから、そんなことをしたくない、と思う人も多いかも知れません。でも、多くの人たちの表情を見ながら、声をかけたりかけられたりするのは、人間として多くのことを得ることができます。

私自身、最初はちょっと「いやだなぁ」という気持ちがありましたが、そう言う気分の時は、あまり受け取ってもらえません。

逆に、受け取ってもらえなくても、笑顔で声をかけたり、気づいたときにゴミを拾ったり、困ってそうな人に声をかけて役に立ったりしながら、前向きな気持ちで、配っていると受け取ってもらえる人も多くなります。

そうなると、だんだんおもしろくなり、同じ場所でティッシュを配る美しい女性たちを勝手にライバル視して、いかに多くのビラを、気持ちよく受け取ってもらうかを工夫しながら、配りきりました。

 

ビラ配りや飛び込み営業というのは、営業手法としては時代遅れかも知れません。ものすごく効率も悪いので、経営的に考えれば一番賃金の安いアルバイトにやってもらうべき仕事です。

しかし、本の小さなことにも感謝の気持ちを持つ、とか、目の前を通り過ぎる見ず知らずの人に、瞬間的にちょっとだけでも気持ちよく過ごしてもらうことを考える訓練としては、最適です。

そう言う意味で、現場を離れた管理職や、中小企業経営者(ちなみに私はまだ現場を離れてはいませんが)は、ときどきビラ配りや飛び込み営業などをするのはとてもよいです。

 

私も定期的にやろうと思います。もし、街でビラ配りをしている私を見かけたら、優しく声をかけてください(笑)

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