私にとって「2010年」と言えば、木星がルシファーになった年というか、HAL9000もスターチャイルドとなった年という印象が強いです。映画「2010年」での出来事です。
初めてこの映画を見たのは中学3年生の時で、そのときにはさっぱり意味が分かりませんでした。
約10年後に映画「2001年宇宙の旅」をオーストラリアの映画館で見る機会があり、猛烈に感動しました。それから、小説から解説本まで大量に読み、何度も映画を見直し、自分なりの解釈を確立し、大げさでなく本当に「人生観を変えた映画」となりました。
その続編の映画が「2010年」 です。
私にとって、アーサー・C・クラークの小説は、SF小説というより哲学書であったり、宗教観を考えさせる話であったりすることが多いです。50年以上も前に書かれた小説は、科学的には間違っていることも多々ありますが、それでも、小説が陳腐化しないのは、根底にある哲学が太く強烈にしっかりしているからだと思います。
人類がこのまま1万年くらい進化したらどうなるのか?
人類がこのまま1億年くらい進化したらどうなるのか?
科学技術の発展で人類は生き続けることができているのだろうか?それとも愚かな争いで絶滅してしまうのだろうか?
アーサー・C・クラークは、科学技術の発展により幾多の困難を乗り越えるという前提で未来のことを書いています。冷戦の始まる前も、冷戦中も・・・。
「2010年」は1982年に書かれました。結局、その28年後の2010年(今年)までには、今後のますますの発展が確立できていません(充分平和ではありません)。しかし、逆を言えば2010年まではどうにか人類は核戦争などで滅びることもなく、科学技術を発展させてきました。
年代はずれたとしても、いつか人類が有人の木星探査に出かけられるような時代を迎えらることを希望します。そのためには、世界は充分平和で、かつ、とても豊かになっている必要があります。
2010年を無事に迎えた今、映画2010年を想い、そういう時代が来ることを強く願い、そして、自分がたとえ微力であっても、それに少しでも役立てるように何をすべきか考えたいと想います。