美濃焼の特徴1

しばらく、頻繁に美濃焼について書いてゆこうと思います。興味のない方、すみません。

 

先日、美濃焼を盛り上げるにはどうしたらよいか?というような会に出席したわけですが、そこで私が全面的に賛成というか「私も応援します!」と言えませんでした。

 

私は、普通の人よりかなり美濃焼を愛しているし、美濃焼がもっと世の中に認知されることを強く願っています。10年くらい前には経産省や文科省の予算を引っ張ってきて、美濃焼をもっと地元の子供達に理解してもらうための授業の企画を出し、実際に地元の中学校で3ヶ月間授業を行ったりもしました。

若手の陶芸家を支援するような活動もしてきました。

 

そんな中で、考えれば考えるほど、難しくて答えが出ないというのが、私の現在の結論です。もちろん、諦めるつもりはないし、統合的な戦略が見つからなくても、立ち止まらずに何らかの動きはしたいと思っているので、単発的なイベントの企画や活動はしています。

 

今回、「美濃焼を語る会」に参加して、改めて美濃焼全体の発展を考える機会になりました。いろいろ考えているのですが、結論というか答えは出ていません。・・・が、何をどう考えているのかを、ブログで書きながら、思考を進めてゆこうと思って、書いている次第です。

 

ということで、また、本題に入るまでの前置きだけになった感じですが、なぜ、私が「美濃焼全体の発展」が難しいと思っているのかは、美濃焼がなぜ発展して、全国最大の産地となり圧倒的なシェアを誇るようになったのかを説明するとわかりやすいです。

 

もともと、美濃地方では焼き物が作られていましたが、それはあくまでも伝統文化的なもので、そう言う意味での美濃焼は、織部とか黄瀬戸のようなものになります。これについては前回も書きました。

 

もともとは、この地域で良質で大量の原料(焼き物用の土)が採れたので焼き物を作っていました。それを全国を行商して売ってくる商人が売っていました。昔は今のような情報網が発達していなかったので、商人(商社)が売れる焼き物の情報を持ってきて、それを職人(メーカー)が、作りました。

 

たくさんの注文が入るようになり、たくさんの注文に対応できるような職人の数や技術の発展がありました。

たくさん注文しても、色々なものを注文しても対応できるのであれば、注文がまた集まります。

注文が集まることで、より産地の規模が大きくなり、人も集まり情報も集まり、さらに注文が集まるという流れで、美濃地方が日本最大の焼き物産地となったのです。

 

その為、美濃地方では、日本中の特徴的な焼き物(っぽい焼き物)を作ることもできるし、やってきました。つまり、有田焼っぽいもの、常滑焼きっぽいもの、備前焼っぽいものなどなど何でも。

そういう焼き物の産地で、ちゃんと作ると高くなってしまうものも、美濃地方では安く作ることができたので、そういう産地で売っている「安いおみやげ用の焼き物」は実は美濃産ということがよくあります。

 

美濃焼が、日本最大の焼き物産地であることが意外と知られていないのは、その為です。つまり、(産業としての)美濃焼の特徴がないからです。

他の多くの焼き物は、代表的な製品があります。常滑焼きで言えば赤い土の急須だとか、備前焼は釉薬を使わない土っぽいものなどあります。そう言う場合、美濃焼というのは、織部や黄瀬戸と紹介されますが、美濃地方で作られている焼き物で、織部や黄瀬戸なんていうのはきわめてマイナー(少量)です。産業全体で見たら本の一部なのです。

何度も繰り返しますが、現在の美濃焼の特徴は、

技法でも色でもデザインでもなく

何でも作れる日本最大の産地

ということになるのです。 

 

長くなったので、また明日(?)。なかなか前に進みませんが、思いが強くて熱すぎる証だと思ってやってください。

 

・・・つづく・・・

 

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