それができる人にはできないこと

昨日、岐阜大学で開催されたG-netインターンフェアに参加してきました。

頻繁にこうしたイベントに参加させてもらっていますが、それにはもちろん、学生さんたちに何かプラスになる影響を与えられたらうらしいし、インターンとしてうちの会社に来てくれるような人が見つかれば、さらにうれしいですが、私自身の為になるという理由でも参加させてもらっています。

 

普段は大学生と話をする機会などはほとんど無いので、そう言うところで話をしたり聞いたりするのは、私にとってとても刺激になるし、いろいろ学ぶことができます。そんな私利私欲で参加しているところもあります(すみません)。

今回も大きな気づきがありました。

 

ちょうど今週の月曜日にPAL研究会のオープンセミナー「続ける技術」で、現場リーダーは、スタッフがやるべきことを極限まで具体化して、それを的確に言語化して説明しないといけないという話がありました。

それは、もともとそれができる人には、とても難しいことです。例えば、もともと営業のうまい人の多くは、特に突飛よしもないことをやっているわけでなく「普通のことを普通にやっているだけ」と思っているので、それをうまく説明することができないのです。そういう人は部下に「積極的に見込み客にアプローチせよ」という指示を出し、部下は何をして良いのか分からないということになります。

もっと具体的な説明をしなければいけません。例えば「毎朝10件電話をかけろ」「名刺をもらった人には、その日のうちに手紙を書け」など。

 

最近の学生との話が、かみ合わないことも、そのことで理解ができます。質問の中で、私が答えるのにちょっと考えてしまったものは、

「どうして、オーストラリアに行けたのですか?(一流企業を辞めて)」

「どうして、そんなにすごい人と知り合いになれたのですか?」

「私は挑戦したいと思っていることがあっても、どうしても一歩が踏み出せませんが、どうしたらよいですか?」

「私もオーストラリアに行きたいと思いますが、その為に今何をしたらよいですか?」

などです。かなり返答に困ります。なぜなら、そんなこと考えたことがないからです。これまでの私の回答は、

「そうしたいと思ったからできた」

「やらないという選択肢を排除したから、やるしかなかった」

などです。これでは学生たちがポカンとしているはずです。抽象的すぎる。

 

「どうして、オーストラリアに行けたのか?」

独身で親も元気な20代だった私にとっては、何も難しい問題はありません。会社に辞表という紙を出して、旅行社に行ってチケットを買えば行けるのだから。1日でできます。何も考える余地がない。

 

でも、これは発想に制限がある学生には、答えにならないのだと気づきました。「会社を辞める」ということは、「あり得ない選択肢」と認識していると、その答えにたどり着くのはとても困難で、「どうしたら〜」という質問になります。

それに対して、当時の私は、選択肢の自由度が遙かに高く「命を失いかねない」選択肢以外は、どれもが可能性として検討され、その一つが、会社を辞めてオーストラリアに行くことでした。

そして、その選択肢を選ぶことに決めたら、後はきわめて簡単です。必要な手続きを調べて、ひとつずつ行ってゆくだけです。

 

昨日のフェアに参加していた学生には、最初に、選択肢の制限を外す、もしくは、制限を緩めることが必要だったのだと思います。

もちろん、学生という立場は、ほとんどの場合、親にお金を出してもらっているので、大学を辞めるということを勝手に決めるわけにはいきません。なので、「大学を卒業する」という前提ははずせませんが、少なくともその中では、もっと自由な発想をしたらよいと強く思いました。

 

私自身の反省、そして、次回までの課題としては、自分が20代の頃やってきたこと、なぜその選択肢を選んだのかを、具体的な言葉で説明できるようにしたいということです。

それにより、より正しく、深く、意図が理解してもらえるはずです。

 

頑張ります。

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