来年開催される国際陶磁器フェスティバル美濃というイベントの産業振興部会が昨日開かれました。
その中身については、私が勝手に公開して良いのかわかりませんので、伏せておきますが、私がかなりショックを受けたことについて書きたいと思います。
焼き物関係者と、それ以外の人たちとで全く議論がかみ合わないことがありました。それは、飲食店を経営されている方から、
美濃焼は業務用で使いにくい。食洗機に使えないし、重い・・・
というような意見が出て、それに対して、賛同するような意見もあったのですが、焼き物関係者は、ポカンとしてます。
私はとてもショックを受けました。地元の人でも、業界に関わっていない人は、ここまで美濃焼について知らないということに。
恐らく、意見を出した方や多くの一般の方は、美濃焼=志野や織部など伝統工芸としての美濃焼と考えています。それは間違いではありません。
しかし、この会議は「産業振興部会」、地場産業である美濃焼を振興するためのことを考える場です。
地場産業としての美濃焼というのは、伝統工芸としての美濃焼とは全く違います。以前のブログにも書きましたが、日本一の生産量を誇り、どんなモノでも安く作れるのが美濃焼です。
「普通の飲食店では美濃焼は使えないから使っていない」 なんてあり得ません。今でも焼き物のシェアの50%以上は美濃で作られています。日本中の飲食店では美濃焼の器を使っています。強化磁器や、洋食器なども、もちろん美濃焼です。なのに、そういう意見が出て、事務局の人たちも「そうなんだ」的な反応をしていることが、実は産業としての美濃焼の置かれている位置とか問題を如実に表しています。
美濃焼をよくするためにどうしたらよいのかを考えるためには、まず、最初に美濃焼の定義をしっかりと確認し、少なくとも関係者が美濃焼とは何かをちゃんと理解する必要があります。
改めて、書きますが、美濃焼というのは、日本中にある安い茶碗です。良くも悪くも特徴がない(どんなモノでも作ります)。
日本最大の生産量、そして、どんなモノでも作れる技術を持っているのがこの地方の焼き物産業です。
地場産業としての美濃焼というのは、形や色や材質で定義できるモノではなく、生産体制や技術の集合している様をもって定義できるモノなのです。
そういうことが、全く理解されていないことが、美濃焼の最大の問題で、それを理解してもらうように啓蒙やPRができてこなかったのが、美濃焼産業に関わっている人たちの問題だと思います。
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