先週の岐阜大学での講義の後、提出されたアンケートの回答にこんな感じのことが書かれているものがありました。
急に言われても質問もできないので、予め準備するために課題などを教えておいて欲しい。
恐らくこの学生は、小さい頃からちゃんと授業の前に予習をしてきているのでしょう。問題も答えも教科書に書かれている、もしくは先生が知っている勉強では、そういう姿勢はとてもよいし、先生にも評価されます。
家で妻に話したら、世の中の大半の高校生はそうだと言われました。ちゃんと前日に予習をして来るものだと。予習できないと不安で授業が受けられないのだと。
私の場合は、チャイムが鳴り教室に先生が現れて「あっ、次は数学なんだ」と知って常に学校に置いてある教科書を出す高校生だったので、予習という言葉の意味すらよくわかっていませんでした。そのため、それなりの学業成績でしたが、逆に言うと(頭の)反射神経はとても鍛えられていたと思います。今でもプレゼンをするときは、事前に準備する発表本体よりも、その後の質疑応答の方が得意なのは、その頃からの訓練の賜物かもしれません(笑)。
いずれにしても、ちゃんと準備ができる課題や授業内容になってしまうのは(特に高校くらいまでは)、そうして生徒を学力で分類しないと学校制度が成り立たないので、しかたありません。
でも、世の中の大半は、正解は無いか、誰にもわからない問題であることが多いです。また、そもそも問題や課題そのものを見つけることからやらなければいけません。その場で課題に直面し最高の成果を出さねばいけないことも多々有ります。
今回授業を受けていた学生は大半が4月に入学してきたばかりの1年生でした。彼ら彼女らには、卒業までの4年間で少しでも、正解のない問題や、問題のない問題というものが、社会では多いことを理解して、その社会で生き抜くための力を身につけて欲しいと思います。