子としてのやるべきことと、親としてのやるべきこと

先日、岐阜大学の「私らしいキャリア設計」の授業において、いろいろ学生さんから質問を受けました。

その中で、一瞬回答に詰まりそうになった質問がひとつありました。

「自分が今、大学を辞めたり、休学したりして海外に行くとしたら、親が反対をすると思うが、それを押し切ってでも、行っても良いのか?迷惑をかけても良いのか?」

というような主旨の質問です。

その質問の前に、私が「若いうちは貧乏になっても自分がお腹がすいたのを我慢すればよいだけなので、無理してでも貧乏したり、リスクの高そうなことでも挑戦しましょう」というような事を言ったのに対しての質問です。

結婚して子どもができてからは、自分のためだけに自分の時間を使うことができなくなります。大学生くらいから結婚するまでの期間というのは、自分の為に一番時間が使える時期です。その時期にどれくらい経験を積んで、頑張る癖をつけるかが、その後の人生を幸せにするかどうかの重要な要素となります。

でも、親にお金を出してもらって、大学に入り、通っている大学生が、親の反対を押し切ってでもやってよいことと、いけないことがあるというのも事実かもしれません。

そのようなことを頭の中で考えて、一瞬回答に戸惑いました。

しかし、結局のところ、親は子供の幸せを考えているわけで、幸せを考えた上で反対もしているのです。であれば、その時は反対されていても、最終的に子どもが幸せになっていれば、後からは許してもらえるのではないかと思います。

私自身、親の反対を押し切って、いろいろなことをしてきました。おかげで辛い経験などもしましたが、すべての経験が今の人生の糧になっているし、そうして迎えている現在は、常に幸せです。今後もずっと幸せでいられると思うし、そうして幸せな人生を送っているところを親にも見せ続けることが出来れば、それが親孝行なのではないかと自分に言い聞かせています。

そして、今、自分が親という立場にもなり、きっとこの先、子どもがなにか決断をするときに反対をすることもあると思います。もちろん、親として子供の幸せを考えて下す判断によって。

しかし、もし、その反対を押し切って、子どもがそれを行ったとしても、最後までその判断が正しかったと、子どもが思い続けていられるのであれば、子供の判断が正しかったのだと思ってやろうと思います。途中で、泣きを入れて「ゴメンナサイ、私が間違っていました」と言ってきたら、それはそれで、良い経験を積み、その後、正しい判断ができるようになったのだと、思ってやろうと思います。

いずれにしても、親に対しては、自分が幸せであることを示し続け、子供に対しては、子供の幸せを願い続けることが、私のやるべきことだと思っています。

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