今の会社を作る前、私はオーストラリアでサラリーマンをしていました。
ところが、オーストラリアでは外国人を雇うのは会社にとってかなり負担が大きいのです。そこで、会社員ではなくて、別の会社にして外注扱いにしてもらったのが、今の会社を作るきっかけです。
オーストラリアにいれば日本人である私は「外国人」です。オーストラリアは(日本に比べると)非常に失業率が高く、外国人を雇うにはいろいろ制限があります。つまり、外国人を雇うくらいなら、自国民を雇って失業率を下げよ、といういうことです。
外国人を雇うには、その外国人でないとできない仕事であることを証明しなければいけません。職安などに求人を規定量以上に出し、何度か面接をして、それでも対象となる人を雇用できなかった、だから、この外国人を雇用します、というような流れです。しかも、外国人はやたらと税金がかかります。
外国人を雇用するためには、求人広告を出して、実際に何度か面接もして、しかも、たくさん税金を払わなければいけないので、雇う会社にしてみるとかなり面倒でコストがかかるのです。
そこで、その会社の社長に説得されて、会社をつくり、外注扱いとなりました。もちろん、外注業者といっても、これまで通りのオフィスに勤務し、同じ机で、同じ仕事をするのです。
私自身、「オーストラリアで会社を作る」という行為にあこがれたというか、ワクワクして深く考えずにそうしました。その後、いろいろあって、日本に戻ってきて有限会社を設立し、今の会社に至っています(今年会社設立10周年)。現在では以前勤務していた会社からの仕事は完全に無くなっています。業務内容もだいぶ変わっています。
きっかけは「節税のための独立」と言えなくもないですが、おかげで、いろいろ勉強することができましたし、貴重な経験も多くできました。
現在まで、ほとんどの時期、自分が楽しいと思う仕事ができたのも、自分の会社だったからだと思います。
きっかけはどうであれ、結果オーライという感じでしょうか。