かなり前に書かれた本ですが、現在の世界で起こっている数多くの紛争の根本的な理由が書かれているような気がします。
ソ連の崩壊後、唯一の超大国として、世界中の紛争に首をつっこむアメリカは、「正義」「ルール」「民主主義」を広めて世界を幸せにしようとしているのですが、それは大きな間違いです。
アメリカ自身が、多くの人種問題を抱え、特に先住民に対して行ってきたこと、そして、現在も行われていることというのは、すべて「殺す側の論理」でしかないのです。
日本でも、アイヌという少数民族が、ひどい扱いを受け、民族の誇りを持って生きることができない状況は、大和民族という殺す側の論理による、「正義」「「正当な手続き」「ルール」によってで行われているのです。
筆者の考え方(アメリカ嫌い)によって、若干偏った内容である気もしないわけではないですが、現在の様々な紛争を考える時に、是非読むとよい本だと思います。