江戸時代の江戸の人の暮らしは、多くの人が考えている以上に進んでいて優れていました。それは、「風流」だとか「粋」だというような意味だけでなく、もっと科学的にも進んでいたということも含みます。
最近、古典落語に登場する江戸の人の暮らしに興味を持って勉強してゆくにつれ、感心し、見習うべきことも非常に多いと感じ始めました。
まず、一番合理的で便利だったと思うのが、時間です。当時は不定時法で、夜明けから日没までを6等分して、1刻(とき)とします。夜は逆に日没から日の出までを1刻とします。1年で、日の出や日の入りの時間は大きく変化するので、1刻の長さも変わるため不定時法と言います。
季節によって時間が違う、と聞くとすごく不便な気がしますが、実はとても合理的で便利なのです。
太陽を見れば、時間がわかるこのシステムは、慣れれば時計が無くてもかなり正確に時間がわかったはずです。また、日照時間を最も有効に使えます。
時計が無い時代では、現代の定時法では、時間を知ることが非常に困難です。また、照明器具が無く、太陽が沈むとはほとんど活動ができなかった時代では、少しでも日照時間を無駄にしないことが、とても重要だったはずです。
現代では、時計もあるし照明器具も発達しているので、太陽に合わせて時間を決めなくても生活できるのですが、夜明け後の明るい時間にも寝ていて、夜になると照明器具を使って明るくして起きているというのは、もの凄くエネルギーを無駄遣いしていることになります。
サマータイム制というのは、少しでもエネルギーの無駄遣いを減らすための方法ですが、江戸時代はもっとエネルギーの無駄遣いをしない時間制度を採用していたのです。
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