江戸時代の初等教育は世界最高水準

 江戸時代の庶民の教育レベルは世界的に見ても非常に高かったそうです。

 

 江戸時代は、現在のように国の制度としての教育はありませんでした。庶民は、基本的に私塾である寺子屋に通って勉強をしていました。

 当時の日本の庶民の識字率は、男子50%程度、女子20%程度です。非常に低いようにも感じますが、当時の先進国イギリスの庶民の識字率は都市部で10%程度だったそうなので、如何に日本の識字率が高かったのかがわかります。

 

 江戸府に限ると、庶民の識字率は70%を越えていたそうで、世界でもダントツの識字率でした。ちなみに全人口の5%程度の武士階級の人たちは識字率ほぼ100%でした。

 火事と喧嘩は江戸の華と言われるほど、火事の多かった江戸では、非常に多くの人が建築関係の仕事をしていた職人だったのですが、字が読めなければ職人にはなれないと、子供は寺子屋に通わせていたそうです。

  もちろん、今の小学生ほどたくさんのことは習いません。基本的には読み書きとソロバン程度ですが、当時の世界で考えると、日本(特に江戸)は、非常に進んだ初等教育の仕組みができていたと言えます。

 

 幕末に、黒船が来て圧倒的に進んだ欧米諸国と、鎖国の間にもの凄く遅れてしまった日本の格差を見せつけられた・・・というイメージを持たれている方は多いと思いますが、実際は日本の方が進んでいたことも多くあったというのが事実のようです。ことに庶民のレベルでは、日本が進んでいたことが多かったようです。

 当時、黒船などで日本にやってきているのは特権階級の人たちばかりなので、その人達と人口の大多数を占める庶民と比べて間違ったイメージができあがっているのではないかと思います。

 

 

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