人生を変えた言葉

心に響いた言葉というのは、ずっと記憶に残り、その後の自分の考え方や行動に影響を与えることがあります。

 

私もこれまで、いろいろな人からいろいろ心に残る言葉をもらい、いろいろなときにそれを思い出すことがあります。

 

その一つは、中学1年生の時に、所属していた水泳部の先輩から言われた言葉です。その先輩は、個人では県大会で優勝するくらいの水泳の成績を残し、また、部長として団体(学校別)でも総合優勝をしていました。

また、学業成績も極めて優秀で、中学卒業後はその地区で一番の進学校に行き、有名大学に行きました。

当時、私は、一応1年生の中では一番よい成績で、県大会などにも出させてもらっていました・・・が、とても団体優勝に貢献するようなレベルではありませんでした。

 

 

 その先輩が、中学の卒業が近づいたとき、私ともう一人1年生の水泳部員を呼び出して、言われた言葉が今でもとても印象深く心に残っています。そのときの状況は鮮明に記憶しています。

 

そのとき言われたのは、

「おまえ達二人が、2年後には水泳部の部長と副部長になれ」

ということと、よく勉強して

「 K高校(その先輩が行く高校)へ来い」

と言うことでした。今よりずっと謙虚だった(?)中学1年の私は

「僕らはバカだからK高校なんていけませんよ」

と言うと、

「常に考える癖をつければ大丈夫だ。常に考えろ。授業中他の人が先生にあてられて話しているときも、自分ならどう答えるかを考えろ。何かテレビを見ていても、遊んでいても、それについて常に考えるくせをつけろ。」

と言われました。この「常に考える癖をつけろ」という言葉はもの凄く印象に残りました。自分が憧れる先輩が、わざわざ自分を呼び出して、言葉をかけてくれた、ということがとても嬉しかったせいもあると思いますが、その言葉の意味を、ずっと深く考えたことを覚えています。

 

2年後、先輩の予告(?)通り、私は水泳部部長に、もう一人の友人が副部長になりました。残念ながら水泳部の成績は先輩がいた頃ほどにはよくありませんでしたが、それなりの成績ではありました。

 

高校は、二人とも先輩に言われた高校とは違う高校に行きましたが、私は高校に入ってからも、水泳を続け、大会や県の合宿などで、その先輩にはお世話になりました。

 

「常に考える癖をつけろ」

 

という言葉は、今でも常に意識して自分の行動に大きく影響しています。街で見かける、広告を見ても、買い物をしていても、すれ違う車を見ても、レストランで食事をしていても、考えています。広告の特徴、なぜ、この広告は目につくのか、どうしてこんなに安く売れるのだろう? どういうビジネスモデルで成り立っているのだろう、何故スポーツカーには小太りの男が乗っていることが多いのだろう。全て、自分なりの結論が出るまで考えています。

 

これは、もの凄く自分の人生を豊かで楽しいものにしてくれている要素です。人生を変えた言葉のひとつだと言っても過言ではないと思います。

 

 

私の人生に大きな影響を与えた、その先輩ですが、高校卒業後は一度も連絡を取らず、何をされているのか全く知りませんでした。東京の大学に進学されたので、そのまま東京の一流企業にでも就職したのかなと勝手に思っていました。

 

ところが、最近思わぬところで、先輩の消息を知りました。

先日、仕事の取引先の社長と話しているときに、「柴田さんと同じようなことを言っている人がいるよ」と言われ、その人が本を書いているからと、その本を勧められました。

その本の著者名を見てビックリ!!

 

なんと25年くらい前に私に「常に考える癖をつけろ!」と言った先輩だったのです。

 

その先輩は、私と同じ多治見で、私と同じ約10年前に起業され、現在は私とは比べものにならないほど大きく会社を成長させておられました。私はそんなことは全く知らず、その会社のお客さんとなっていました。

 

無性に、先輩に会いたくなったのですが、先輩は秘書がスケジュールを管理しているような会社の社長になってしまっており、簡単には会えなさそうです。

 

今は、毎日のように、どうやったら先輩に会えるかを考えています(笑)。

 

小原さん! どうか飯でもおごってください!!

 

 

 

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