お客様は神様ではない!

営業の基本として「お客様は神様である」という考えがありますが、私はこれは間違っていると思います。少なくとも、私のところのように企業が顧客の場合は、お客様と対等(に近い)の立場にないと仕事はうまく行きません。

 

少なくともうちの会社は、その考えを改め、お客様を選別するようになってから、うまくゆくようになりました。

 

お客様は神様だと言って、言われることを全て実施していたら、良いものができあがらないばかりか、自社は利益が出ずアフターサポートも充分にできなくなります。会社が利益を出せないと言うことは、極端に言えば会社が倒産して、一切のサポートができなくなります。

 

専門的なサービスを提供している場合、お客様は専門家ではないので正しい要求ができない場合がほとんどです。お客様から要望が出た場合、何故お客様がそう言うことを言われたのかを考えて、本質的な要望を推測し、それに対して専門家としての提案をすべきなのです。

ときには要望を断ったり、別の方法を提案する必要もあります(「そんな機能をつけたらシステムの安全性が保てないのでできません」など)。 

その為には、神様と奴隷の関係ではいけません。ほぼ対等な立場で、意見を言える(聞き入れてもらえる)関係でなければいけません。

 

そして、更に言えば適正な利益を出せる対価をもらわなければいけません。

「予算がない」と言われたら、闇雲に値引きするのではなく、できるだけ本質的な部分を残して、機能を減らす提案をし、適正な利益を出しながら金額を減らす方法を提案すべきです。

 

もちろん、そのためには、常に企業努力をして、同業他社と比べてより魅力的な提案をできるようにしなければいけませんが、お客様が求めているのが本来の専門的サービスではなく、(とにかく言うことを聞け!というような)神様と奴隷のような関係であれば、そういうお客様は取り引きをお断りすべきです。

 

常に同業他社よりも良い提案を出せる実力と、それを同業他社よりも低コストで提供できる実力を磨き続けることで、適正な利益を出しつつ、継続的に事業を続けられるのです。

それが最終的にお客様にとっても大きなメリットになるはずです。お客様が神様であるという考えは、(少なくともうちの会社のような商売では)お客様を不幸にする考えだと思います。

 

 

 

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