Under79世代と呼ばれる1979年以降に生まれた世代の人たちを、「ケータイ世代」と呼ぶのだそうです。
私自身、自分と同じ世代の人たちよりはかなりケータイを使い込んでいる方だと思っていますが、この本に書かれているケータイ世代とは、大きく違っていることに驚きました。著者は、ケータイ世代向けのサービスを展開する会社の社長で、この本は、実例や実体験を元にした内容なので、説得力があります。
いつの時代でも、大人は若者の行動が、理解できず、不愉快に感じたり、バカにしたりします。しかし、私(30代後半)も含め、これまで過去に若者だった人たちと、今の若者が決定的に違うのは、ケータイを持っていることです。
ケータイ電話は、いつでもネットワークにつなげられる装置であり、誰もが肌身離さず持ち歩く装置です。そんな物は、これまで存在していませんでした。それを今の若者は持っているのです。
大人たちがある程度、実用性を求めてケータイを使っているのに対し、ケータイ世代と呼ばれる若者たちは、別の理由でケータイを使っています。なぜそんな使い方をするのかを、ケータイ世代以上の年齢の私たちが理解するのはかなり難しいかもしれません。
パソコンよりも、遙かに遅くて、画面も狭く、文字入力もしにくいケータイは、あくまでも移動中にやむを得ず使用する情報ツール、というのが大人の認識です。しかし、ケータイ世代は、パソコンではなくてケータイを使うのです。しかも、無駄のないわかりやすいサイトよりも、余分な情報などもあって、楽しみを見つけられるサイトを好み、短時間で用件を済ますのではなくて、時間がかかるサイトや、サービスを利用する傾向があるのだそうです。
感覚的に理解をするのは、難しいかもしれません。しかし、ケータイ世代はケータイビジネスにおいて非常に大きな存在になっており、今後はもっと大きな存在になっていく中で、理解するのが難しいからと言って無視するわけにはゆきません。
特に若者向けにサービスを展開する企業や、若者を対象とした商品を販売する企業にとっては、非常に重要なテーマであり、それがわかりやすく書かれているこの本は、お薦めです。
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