先日、秋祭りの準備でしめ縄づくりをしました。
そのときに、また伝統文化を守るときの大きな問題を感じました。
まず、しめ縄の材料のわらがありません。昔はどこでも稲刈りを手で行って、それをその場で、棒にかけて干していました。その後脱穀するのでどこの農家でもわらがありました。
しかし、最近はコンバインで稲刈りをするところがほとんどです。コンバインは、稲刈りから脱穀まで一気に行います。わらは細かく切断されて撒かれます。その為、わらがありません。
一応、一部の農家ではまだ、コンバインを使わないところもあるので、そこに頼んでわらを確保しました。
でも、他にも昔通りにできない大きな問題がありました。稲の品種改良によって、稲の高さが低くなっているのです。つまり、台風などで倒れないように背の低い稲になっています。背が低いと言うことは、言い換えればわらの長さが短いのです。
昔はひと束のわらで、つながずに作っていたしめ縄が、今ではつながないと長さがたりないのです。
なかなか難しい問題です。品種改良によって、稲が倒れにくくなり生産性はだいぶ上がっていると思います。
コンバインなどはもの凄く農家の仕事を軽減しています。妻の実家でも昔は稲刈りとなれば、みんな集まって手伝う行事でしたが、今では運転手付きのコンバインをレンタルするので、半日もかからず一気に稲刈りが完了します(何年か前に農地改良で何枚かの田んぼが、一枚の四角い田んぼに変わっていますし)。
この生産性の向上の為に、昔はどこの農家にもあった長いわらを無くしてしまったのです。まさか、お祭りのために、背の高い稲を作って、手で刈るわけにもいかないし・・・。
せめて、縄の作り方だけは覚えて、次の世代に引き継いでゆきたいと思います。
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